熱い視線の先
その数年後、油断していた私に悲劇が起きる。
降谷零と同じクラスになった。
しかも、教師が突然宣言したことによって行われた"席替え"により、私は降谷零と隣の席になったのである。
(おい、何の神のイタズラだ?こりゃ。)
私はあまりの事態に血反吐でも吐きそうな程精神力が削られていた。
とはいえ、今の降谷零には、未来の降谷零(安室透)から感じられるであろう物事への余裕や覇気は感じられないように思う。
まぁ、未来の降谷零(安室透)に会ったことないんで憶測ですけど。
とりあえず、無意識に私は彼の綺麗な瞳に吸い込まれるように、降谷零のことをジーッと見つめてしまっていたようで…
彼に咎めるような視線を送られてやっとそのことを自覚したのだ。
(おっと…見すぎ見すぎ…)
私は自然に目線を逸らすが、彼の痛い視線は、その後も私に注がれ続けた。
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