Dream in Dream

14Meet again2

「……ねえ、カノンってよんでいいかな?」

「うぇ!?は、はいっ」

へ、変な声でちゃった……

「ははっ、緊張しすぎ。
俺のことも、アレクって呼んでよ」

「は、はい……あ、アレクさま」

「〜〜〜っ」

……折角言っていただいたから呼んでみたけど……うーん、やっぱり嫌でしたよね。

「……わたしなんかが、気軽に呼んじゃって、すみません」

「あ、いや!ごめんね、そういう訳じゃないんだ……まじかよ、これはこれでクルな」

「?今、なんて仰いましたか?」

「ああー、いや!なんでもない……
……ねえカノン、どこか行きたい場所、ある?」

「んー……まだお城を見たわけじゃないので、アレクさまの好きな場所に連れて行ってください!」

「……君はいちいち可愛いね。いいよ、連れてってあげる」

……そういう貴方は、いちいち格好良くて困ります。
優しく微笑んで手を引かれる。
ついでに心まで惹かれてしまいそう。


私の部屋よりもひときわ大きな扉を開く。

「ここは……?」

「ん?俺の部屋」

「えっ」

い、いきなりそんなプライベートな……!?

……って顔してる」

「!!!」

「ふふ、本当に君はいろんな顔をするね」

「〜っ、からかうのがいけないんです!」

「ごめんごめん。さ、入って」


「おじゃましまーす……」

おずおずと入ると、目に色んなものが入ってくる。
天体望遠鏡、世界地図、鎧に何本もの剣、大きな時計……

「ほら、こっち」

促され、ガラスの扉を開けると、

「わぁ……!」

様々な種類の植物が至る所でその色を咲かせていた。

「これ、全部アレクさまが……?」

「うん。植物育てるのが趣味で。ついてきて」

綺麗なテラスを歩き、端まで来ると、少し柵が低くなっているところがある。

「この先に連れていきたいところがあるんだ。掴まって」

「えっ?……わぁ!」

ふわりと抱きかかえられ、ドレスのフリルがぶわっと舞う。

アレクさまはそこから飛び降りた。

すると、どこからか嘶く声が聞こえる。

「大丈夫、ほら、目を開けて」

「……!ペガサス、だ……」

物語の中でしか見たことのないペガサスに乗せられ、私はフィオレンツァの空を飛んでいた。

「……なんだか夢みたい……」

「何たってここは『夢の世界』だからね。カノンの望むことなら叶えてあげる」

「〜〜〜またそうやって、」

「歯の浮くようなことを言うなって?」

「!わかってるじゃないですか、」

「だってカノン、ドキドキしてくれるんでしょ?」

「〜〜〜もうっ」


熱い頬を必死で抑えながら、私は空の風に吹かれた。
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