Dream in Dream

02in Flower Dream

ふと、意識がもどる。

薄ぼんやりした風景がだんだん鮮明になり、光が目の中に入ってくる。


「…………わぁ……っ!」


辺りを見渡すと、一面に花畑が広がっていた。


「……なにこれ、綺麗……」

淡い桃色、たまご色、空色……パステルカラーの柔らかい花びらがそよそよと風に揺れ、まるでお伽話の世界のようだ。


「……って、何これ!?」

ふと視界に入る白いフリル。

見ると、とても綺麗な―――私がずっと憧れていた、ウェディングドレスを着ていた。

花畑の花を胸元に贅沢にあしらい、腰には大きな白いリボンが結ばれ花びらと共に揺れている。
スカートは純白のフリルと綺麗な花でいっぱいだ。

風に揺れる髪は少し伸びて、毛先がゆるく巻かれている。どうやらハーフアップにまとめられているみたい。


夢みたいな状況だけど、でも、どうしてこんなことに。
若干混乱する頭を吹き飛ばすように、今までより強く風が吹いた。

ぶわっ、と花びらが一気に舞い上がり、視界が埋め尽くされる。

ふわり、と風邪が落ち着き、花びらが空から降ってくる。

「綺麗……」

すると、開けた視界の先には。

「……っ!」

とんでもなく美形な人が、丘の上に立っていた。

その人は私に気づくと、丘を駆け下りてきた。



「……やっと会えた、俺の……お姫様」

「〜〜〜っ!」

歯の浮くようなことを、蜂蜜のようにとろけた声で言われ、顔が一気に熱くなる。
柔らかく笑みを浮かべたその人は、ふわり、と私を抱きしめた。
甘い香りが、私を包む。

「〜〜〜〜っ!?」

「ごめん、ずっと会いたかったから……抑えきれなくて」

驚いて身体を固くした私に気づき、優しく離してくれたが、その目は少し切なそうで。

「……っあの、貴方は……?」

「僕?……僕は、」



「王子〜!帰りますよ〜!」

急に大きな声に遮られてしまった。


「……またすぐに逢えるから。ごめんね、待ってて」

そういうとその人はゆっくり私の手を取り、―――指先に唇を落とした。

「っ!?」

「っふふ、驚く顔も可愛いな」

「かっ、かわ……!」

「そんなに照れないでよ、……離したくなくなる」

「こら、王子〜!」

「はーい。んじゃ、またあとで」

颯爽と駆けていくその人を、私は、ただぽかんと見送るしかなかった。……火照る頬を抑えながら。
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