Dream in Dream

04in Carriage

私たちは顔を見合わせたあと、ステイシーさんに問いかけた。

「……それって、私たちが夢から醒めたら、……」

「……ここから、いなくならなきゃいけない、ってことですか」

「いえ、違いますよ」

ステイシーさんは私たちの不安を取り除くようにふっと微笑んで口を開いた。

「そうですねぇ……この世界は、あなた方の世界の人、全員の夢の集合体です。地球に住む人全員の。
私たちの世界は、その地球とは全く別の場所にあります。……とはいえ、どこにある、とははっきり言えないのですが。何せ、夢で出来た世界ですからねえ。

何度も言うように、この世界は夢で出来ているので、人々が『眠る』ことをやめない限りは消滅しませんし、もう充分に『夢の力』はこの世界に補給されているのでなくなることはありません」

「夢の力……?ってなんですか?」

「平たく言えば貴方の世界で『魔法』だと思われている力です。
お二人は、夢を見た時に、自分の願った通りになったことはありませんか?」

「あ〜……あります、階段の一番上から飛び降りて、そのまま空を飛ぶとか」

「そういうことなら、あたしも、怖い夢見た時にお化けを蒸発させました」

「蒸発!?ふーちゃん何してるの」

「ふふ。それが、私たちの世界の『夢の力』です。
貴方達『夢の外』から来た人々はそれを使うことができ、私たち『夢の中』の人々は『夢の外』から来た人々の心が読めます」

「へぇ……すごいな、なんか」

「ね。なんだか変な感じ」

「ただ、それがあるとお互いに快く過ごせないでしょう?心を読まれたり、思うように操られたり」

「まあ、たしかに……」

「そこで、お二人にはこれを着けて頂きます」

そう言って、ステイシーさんは紫のジュエリーボックスを鞄から取り出した。

「「っわぁ……!」」

赤、桃色、黄色、オレンジ、水色、緑……
色とりどりのアクセサリーが、煌びやかに並んでいる。

「これは、あなた方の『夢の力』を制御するアクセサリーです。
これを着けている間は私たちはあなた方の心を読むことは出来ませんし、あなた方は『夢の力』を使うことができません。
ただ、この石を握って念じればその間だけ『夢の力』を使うことができます」

「なるほど……すごい……」

「どうする?ふーちゃん」

「迷うな〜……あ。あたしこれにしよっと」

そう言って選んだのはルビーのネックレス。
ルビーといえばつやつや丸いイメージがあったけど、そのネックレスのルビーは綺麗にカットされてきらきら輝いている。

「こんなルビー、初めて見た……」

「この世界は色々な技術がかなり発展していますから」

「すごーい……かのこちゃんは?」

「うーん……これかな」

わたしは綺麗なオパールの指輪を手に取った。
柔和な虹色の光を閉じ込めた宝石は、微かに煌めく。

「二人とも、いい石を選びましたね」

馬車は、かたんことんと走っていく。

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