箱入り人形


涼しい朝の空気の中、白い息を吐き出し、真っ白な毛織のコートをはためかせてルイス・フォン・ハクセンは走っていた。
目の前の赤毛の女性の背中は、さして急いでいる風でもないのにどんどん先へと行ってしまう。
別段、ルイスの足が遅いわけではないのだ。
ただ単純にコンパスに差がありすぎる。
前を行く女の背丈は優に180はあり、男並みの背丈に見合って足はすらりと長かった。
反して、ルイスはまだ子供であり、背丈も150もなく、走った所で彼女の足に追いつけない。

「え、エレオノーレ、早すぎます」
「お前が遅いのだろう」

タイルの地面を蹴って走るルイスが喘ぎ喘ぎあげた声に、赤毛の女は紫煙混じりの息を吐き出しながら振り返りもせずに応えた。
このくらいは付いてこれて当たり前、底辺に合わせた教育などしてやらん。
言外に語る背中へとルイスは恨めしげな目線を向けるが、本当に置いて行かれては叶わないとより足を早く動かした。

というのも、ルイスは箱入りだったのだ。
泊まり込んでいるホテルのエレベーターさえ1人では乗ったことがないし、駅での切符の買い方、まして改札機へ通す必要があることさえ、目前の彼女に教えられるまで知らなかった。
電車というものに乗ったのも初めてだったし、更に言うならば走ったことも、誰かを引き止めたのも初めてだ。
だからここで置いて行かれたら、ルイスはきっとホテルに戻ることさえできなくなる。
目の前の彼女は手を引いてくれるだとか、実は待っていてくれるといった甘えが一切ない。
だからこそ、ルイスは慣れないながらに手足をばたつかせて走った。

目的地となったのはとある学校の片隅にある聖堂。
休日ということもあり一般に門戸が開かれているのだが、人の気配はほとんどない。
いや、そもそも学校内だというのに、部活動に来たであろう生徒の声も、気配もなかった。
異常なまでの静寂の原因をルイスはわざわざ説明を受けるまでもなく理解していた。

――聖杯戦争開戦の瞬間だ。

校門を抜けたあたりで停止したエレオノーレの影に立ちながら、ルイスは息を整えていた。
戦争、というものに対してルイスは恐れなどなかった。
恐れ、というよりも何ら感情が波立つものなどなかったのだ。
ただ1人、傍らに立つこの女性を除いてルイスの心の中には何もない。
心の中で育むべきものを与えられず育ってきたせいで、幼すぎるこのマスターは願いもなしに聖杯戦争へと挑むこととなったのだ。
聖堂の入口は大理石ででており、この学校のかつての繁栄を感じさせるものだった。

「……おや、驚きました」

聖堂の奥、教壇の前で跪き祈りを捧げていたらしい神父が立ち上がり、振り返るなり漏らした言葉はそれだった。
自分で呼んでおきながら、誰かがこの教会にくる――それも、マスター本人が訪れるなどということを想定していなかったのがよく分かる。
それもそうだろう、ルイスにしても自らのサーヴァントがエレオノーレでなければ、使い魔を飛ばして終わりにしていたようなことだ。
開戦のための説明、などと馬鹿げたことのためにわざわざ素性を晒すなど不利益でしかない。
大方、他のマスターにしても同様の考えを持っているだろうと予測はついた。

「呼び出しておいて随分な言い様だな」

ルイスの考えを読むまでもなく、皮肉げな口調でエレオノーレが神父へと返した。
男並みの背丈に軍服、おまけに左の顔には大火傷を負った麗人の言葉はややハスキーで、聖堂の開けた中ではよく響いた。
威圧感で言うならば、目前の優男然とした神父などエレオノーレには微塵も及ばないだろう。
だが、神父は柔和な笑みを浮かべたまま、手袋をした手を軽く上へと向け、肩をすくめてみせる。

「ええ、自分でもそうは思うのですが……先任のグレゴリオ司祭からも、魔術師がこうした場に来ることはないと思え、などと脅されていたものですから」

おどけて口にする言葉といい、穏やかな物腰といい、いかにも聖人のようで、この神父が殺人さえも前提とした聖杯戦争の監督役などというのは冗談か何かのようだった。
しかし、エレオノーレはこうした、一見まともな聖人がどれほど腹に悪癖を持ち合わせているかを、旧い知人から知っているが故に、気を抜くことすらなく、椅子へと腰掛けた。
聖堂の木製の椅子は冷たく、固かった。

腰掛けて少しした頃、聖堂の中へと更に足音が響いた。
革製の長靴と、学生靴の音だ。
ルイスが振り向いて確認をするといたのは、2人の男女だった。
片方はまだ学生なのだろう、猫目につり上がった紫の瞳が真っ直ぐに前を見つめていた。
エレオノーレ同様に後頭部で結い上げた髪を揺らし、手には竹刀入れらしい布袋を持っている。
もう片方は、恐らくは彼女のサーヴァント。
黒い軍服はエレオノーレと同じではあるがデザインが大幅に異なっている。
金の縁どり、肩で揺れるタッセルも金色、マントの裏地の赤が目に映える。
顔立ちは厳しく、まだそう年齢は重ねていなさそうだが、眉間に刻まれた深い皺と顔に斜めに走る傷が目に付いた。

「一番乗りとは行かなかったか、残念だ」

ジョークっぽい少女の言葉は日本語だったけれど、少し英国訛りが感じられてルイスは笑った。

「こんにちは、お姉さん。 ぼくはアーチャーのマスター、ルイスです」
「ああ、こんにちは、坊や。 私はヴァージニア、こちらはセイバーだ」

聖杯戦争の情報戦をあっさりと打ち崩すように、自分たちの名前をやり取りするマスターたちを見ながら、アーチャー、セイバーの両サーヴァントは互いに一瞥をくれるだけだった。
中立地点である教会での戦闘が御法度、ということ以上に互いの武人としての矜持が自己の優勢のために身を隠すなどという卑劣を許さなかった。
元より、性質に差こそあれどアーチャーの女も、セイバーの男も互いに紛れもなく勝利のために全力を尽くす軍人である。
ならばこそ、自分たちのマスターが正々堂々と名乗ることを咎める必要など微塵もなく、アーチャーに関してのみ言うならば、ルイスが名乗ったことを寧ろ評価していた。

ヴァージニアたちは当たり前のように、ルイスたちの隣にある椅子へと腰を下ろした。
マスター、サーヴァントともに武器を持ってこそいるが、無意味に殺気立ってはいない。
だからこそルイスは、敵だという認識よりも少女たちに関心をもって、チラチラとそちらを伺い、そしてアーチャーに少しばかり叱られた。
あまりジロジロ見るな、無礼だ――、まるで母親が子供を叱るような、聖杯戦争に似つかわしくない空気が聖堂に漂いかけた。

けれど、その温もりも聖堂の中へと入ってきた赤い蝶の姿に一気に温度を失った。
辰砂で染め上げたかのような見事な赤い羽根をした蝶は、魔力で生み出された存在であるとはっきり理解できた。
そして、恐らくはこれを作り上げたのはキャスターのサーヴァントであろう。
鮮やかな美しい羽根は人の目を思わず引きつけてしまうものだった。

その羽根にルイスが目を奪われかけた瞬間、隣に座っていたアーチャーが立ち上がった。
目線の先には先程、各々が入ってきた重厚な木製の扉があり、それを押し開いてまた1組が入ってくるところだった。
男の2人連れではあるが、サーヴァントらしい男が立ち入っただけで、教会内に張り詰めていた清浄な空気が塗り替えられ、さも男のために用意された空間であるかのように変化していく。
今は敵同士であるはずのアーチャーが深々と礼法の教本に記されているかのように美しく頭を下げている様、教会の中央を真っ直ぐに歩き、長靴の音をさせている様があまりにも絵になっていたせいで、ルイスは一瞬、そのサーヴァントの背後にいる男をまるで気付かなかった。

「ランサーとそのマスター、御影 雪彦です。 遅刻、はしていませんよね」

聞いているだけで陰鬱となるような、か細い声がぽとぽと聞こえた。
ルイスがそちらへ目をやると、先程自らのサーヴァントが礼を示した男に比べ、なんともみすぼらしい男が立っていた。
みすぼらしい、といっても服装のことではなく、真っ白な白衣めいたロングコート、痩せすぎの癖に高すぎる体躯、落ち窪んだ目元に土気色した潤いのない肌、そして何より目に付いたのは顔の右半分を覆うような長い黒髪だった。
さっきの男を黄金と例えるなら、この男は石ころ以下、川べりに流れ着いた流木の破片のように惨めだ。
けれど、男はルイスの不躾な凝視にも特に気にした様子はなく、先に進んだサーヴァントの後ろを歩いていく。
足元をみれば編み上げの単靴を履いているのに、どういうわけだか石造りの通路を進んでも音がほとんどない。
痩せぎすの見た目通りに体重がほとんどないのだろうか、なんて考えるほどに足音が小さい。
体幹が崩れているのか、歩くたびにゆらゆら、ゆらゆら体が揺れて、椅子へと腰掛けてみると針金を折り曲げたように不格好だった。

「ええ、遅刻はしていません。 お伝えした時間とおりに皆様集まられました。
 セイバー、アーチャー、ランサー、キャスター……そしてアサシン」

神父が告げた言葉にルイスはちょっと首をかしげた。
前4つはわかるのだ、最初に到着した自分たちが到着を見ていたのだから。
しかし、アサシン?
気配遮断をしてこの教会内にいるというのだろうか。
中立地点とはいえ、教会の敷地を出ればいつ襲いかかるとも分からない相手がいるのだと身を強ばらせていると、隣に座り直したアーチャーが軽く肩を叩いてから、教壇の方を視線で示した。

見てみれば、教壇の上には木箱が載っていた。
表面の一部に黒い布が張ってあって、大きさはルイスの手の平に乗りそうなくらいのもので、いくつか金属の留め具がついている。
神父が何かした様子もなければ、自分たちが何かしたわけでもない。
つまり、あの木箱はルイスが気づかないだけで、アーチャーと自分が到着した時点で教壇の上に載せられていたのだ。
それにしても、なんて不格好な箱だろうか、とルイスは首をかしげた。
装飾にしては無骨だし、入れ物にしては蓋が見当たらない。
これでは箱、というよりもただの立体物に過ぎないではないか、と考える。
それともあれはオブジェか何かで、飾って置くだけで意味のある……例えば、神父の頭上に輝くステンドグラスとか、そういう類のものだろうか、と考えかけたときに、その箱の一部からツギハギ縫い合わせた縫い目の目立つ女の声が聞こえた。

「この様な姿で失礼します。 私は――」
「喋った! エレ……アーチャー! あれ、喋りましたよ、魔術でもないのに!」

箱から声が出た、と甲高い声をあげたルイスは即座にアーチャーに頭を殴られて椅子の上にうずくまった。
その様子に思わず吹き出したのはヴァージニアで、御影は「ああ」とか「うん」とか1人で何か合点いったというようにしてから自分の後頭部を軽くかいていた。

「……アーチャーのマスターはあまり、機械に馴染みがないんですね」

ツギハギの声はそう言ってから、自分がアサシンのマスターであることを明かした。
けれど、他のマスターたちのように名前を明かすことはなく、また使い魔ですらないラジオ兼盗聴器まがいのもので参戦することになった理由についても一切明かさなかった。

「一つ、質問をよろしいですか」

ラジオのノイズに混じりかねないほど小さな声をあげたのは御影であった。
伸ばした手は蜘蛛の足のようにひょろりとしている。
落ち窪んだ目は真っ直ぐに、教壇の上に置かれたラジオもどきへと向けられている。

「昨夜、市内のマンションで発生しました殺人事件についてですが、彼は参加者の1人であった、という考えでよろしいでしょうか」
「ええ、彼はバーサーカーのマスターでした。
 報道を見ていない方のため補足するならば、安平 明、年齢は20歳。 予備校に通う浪人生であり、生粋の魔術師というわけではありません。
 とはいえ、素養があったというのも事実で安平氏は2日前に聖杯戦争への参加を決定しました」

質問に答えたのは、神父の落ち着いた声であり、淡々とした口調で告げられる内容はルイスを除く面々の予測と外れていなかった。
ルイスはニュースの類を知らなかっただけに、もう参加者に死人が出ていた、という事実を知らなかった。
ただ、なんとなしに、もう7騎のうちの1騎がいなくなってしまったことに、一度くらいは会ってみたかったなどという呑気に考えて、隣に座るアーチャーの顔をのぞき見ていた。

「ご理解している方もいますが、今回の聖杯戦争には外部参加者が多い。 キャスター陣営を除いては、概ねこの街には外部から来た方ばかりです。
 特に、魔術師らしからぬのが先日亡くなられたバーサーカーのマスター」

そういって、神父はカトリック式に十字を切ってからステンドグラスを仰いだ。

「そして、もう1人はアサシンのマスター」

告げられてルイスは教壇の上のラジオもどきをみた。
事実、ルイスもこれが魔術による傍聴であればなんら不思議に思わなかったし、自分もそうした魔術器具の類はよく知っていた。
生粋の魔術師は本来機械というものを忌避する傾向にある。
機械、現代科学――そうした分かりやすい、凡俗に扱えるものを神秘を扱う魔術師たちは軽蔑している。
秘匿し、受け継ぎ、特別な選ばれた存在だけがその恩恵に預かれる、というのがルイスの知る魔術師の考え方だ。
だからこそ、ニュースに出るような変死を遂げた安平、という男にしても、
教壇の上のラジオもどきからツギハギ喋るアサシンのマスターの女にしても、
ルイスにとっては理解しがたい存在だった。

「アサシンのマスターなりの気遣いはあったのでしょうが、あの殺害はあまりに目立ちすぎています。 魔術は秘匿せよ、などとは言いませんが、この街に住んでいる一般人の生活をあまりに脅かすことは今後は控えてください」

素行不良の生徒を嗜めるような柔らかい口調で告げながら、神父はそっとラジオもどきの方をみた。
ラジオもどきからはほんの少しの沈黙の後、「分かりました」という短い声が出た。
ツギハギで抑揚も狂った声ではあるけれど、その声が若いせいでまるで神父とのやり取りが教師と生徒のようでさえあった。

「よろしい。 では、今回の当初の目的通り――聖杯戦争の簡単なルールをお伝えします。
 勝者が1名になるまでのバトルロイヤル、基本的に殺人を含めて勝利の手段は問いません。 ただし、一般人の社会生活を極力脅かさぬように。
 仮にサーヴァントを失うなどで無力化された場合にはこの教会で保護を受け付けます」

保護を受け付ける、とはいってもサーヴァントを失ったマスターを見過ごす魔術師などいるのだろうか。
ルイスの知る限り、魔術師の大多数は自己の研究と桁外れのエゴを後世に残すためならなんでもするような輩ばかりだった。
そんなものがわざわざ敵を無力化するに留めるものかと内心で考えてはみたけれど、今はそういったことを言うべきではないだろう、とルイスはあえて口をつぐんだ。
そして続くのは聖杯戦争の基本ルールの類、願いを叶えるという聖杯の理屈だのという退屈な授業に、ルイスはつまらなくなってきて、膝をゆらゆら揺らして待つことにした。

「さて……概ねのルールはこれで説明が終わったと思いますが、何か質問のある方は?」

聖堂内で抗議でもしていたかのように悠長な口調でマタイ神父は口にした。
それに対して口を開くものはいなかった。
今回はまっとうな魔術師以外が多いとはいえ、ここで今更間の抜けた質問をするほどの馬鹿はここにはいなかったのだ。

「……宜しい。 では、これは私の個人的な興味になってしまいますが、貴方がたは聖杯を得て、何を願うつもりか聞いても構いませんか?」

続く言葉には、予想外だっただけにルイスも思わず顔をあげた。
神父の表情はいたって穏やかなものであり、それ故に目論見がまるで見抜けない。
答えるべきか否か、という空気が一瞬漂う中で先陣を切ったのは、セイバーのマスターだった。

「祖国救済。 胡散臭いと思われるのは承知だが、結果的にはそうなる願いだ」

年若い少女の願いとしては些か無骨なものであったが、その声は冗談の色などはなく、いたって真面目なものだった。
だからこそその言葉を笑うものなどはなく、セイバーなどは至って真面目な表情をし、まだ若い自分のマスターを疑うことさえしていない。

「……私は、差別のない世界にしたい、というところです」

次に続いた声は破れた紙が風に嬲られたようなか細い御影の声だった。
長椅子に座る姿は不器用な人間が作った針金人形のように不格好だったが、左目ははっきりとした色を浮かべ、彼の本気を示していた。
もっとも、視線が集まるや御影はすぐに顔を下へとさげて申し訳ない、とばかりにしているが。

「嘘のない、世界。 それだけです、私が望むものは」

更に続いて声をあげたのは意外なことに、沈黙を続けていたアサシンのマスターだった。
いままで断固として自分の情報を伏せていたラジオもどきから響いた声に幾らかの興味を示したのは、聖堂内にいたほぼ全員だった。
願いがあるから参加している、という当たり前の前提ではあるのだが、いままで頑なであっただけに意外性を感じてしまうのはやむを得なかった。
そして、自然とマタイ神父の視線はルイスへと向かった。
発声器官のない蝶で参加したキャスターはそもそもが答弁などする気はない、という意思表示であると判断し、結果的に最後になってしまったルイスに視線が向くのはごく当たり前のことだった。
少しだけ、ルイスは沈黙をして考えてから、隣にいるアーチャーと後ろにいるランサーを見て、それから唇を開いた。

「ねがい、ってぼくにはよく分からないんです。 ぼくはルイスだから、もう完璧だから、これ以上なにもいらないんです」

幼い澄んだ声が聖堂へと響く。
自分は「自分」だから完璧だという少年に聖堂内の空気が僅かに揺らいだのを感じた。
しかし、ルイスはその微妙な空気の変化を気にするでもなく、ゆるやかに微笑みを浮かべた。

「でも今は、好きな人ができたんです」

にこっと、花が綻ぶような笑顔を浮かべてルイスは隣に座るアーチャーを見て言ってみせた。
アーチャーの方はそれを完全に子供の戯言と苦笑して聞き流していたが、ルイスの目は至って真面目だった。
だからこそ、マタイ神父はそのささやかな願いさえも微笑みで受け止めた。

「なるほど、各々に大切な願いがあるようですね。 ならばこそ、皆さんに武運と無事にこの戦いを終えてくれることを祈りましょう」

そういってマタイ神父は十字を切ってみせた。
それを合図に、それぞれのサーヴァントを引き連れて魔術師たちは聖堂を後にした。
ルイスはアーチャーの左手に手を伸ばしたが振り払われ、すぐに離されぬように大股歩きでついていくことを余儀なくされていた。

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