『あ、はい!えっと、園生咲子って!言います!』
深々と頭を下げて自分の名前を名乗るのは俺が先日越してきたアパートの隣人。
園生咲子と言うらしい。
近所付き合いは大切にしろ、という姉さんの言葉を思い出す。
名前、忘れねぇようにしねぇと。
そう言えば昨日はコイツの名前も聞かずに物だけ渡して帰ってきちまったんだっけか。…なんか悪いことしたな。
未だに頭を下げたままの園生。
その律儀な態度と少し大袈裟にも思える動きは緑谷を彷彿とさせる。
「お前…俺の友達に似てる。」
『えっ…ともだ……?…えっ?』
「これからよろしく頼む。」
俺の言ってることが分からないのか、園生は眉を八の字にして首を傾げた。
そんな何気ない仕草も似ていて、あぁ…やっぱり似ているな、なんて。
あいつに似ているなら悪い奴じゃないな。
『はいっよ、よろしくお願いします!』
そうはにかんだ園生の笑顔に、俺は何故かガキの頃見たお母さんの面影を感じた。
………………
なんだこれ。