一番近くの大人
「おー、おそかったな」
『だって、カカシ先生が遅刻したから・・・』
明日行われる演習の説明を受け、リナは1人帰路についていた。
もう少しで家に辿り着く。そんな場所で待っていたのは一人の上忍だった。
「あー、お前の班はカカシが担当だったな・・・」
『アスマさんも、先生になるなんて知らなかった』
「言ってなかったからな」
そうして、自然な流れで二人は隣を歩き始めた。
今晩の夕飯について話す様子は歳の離れた兄弟のようだった。
彼の名前は、猿飛アスマ。
血も繋がっていなければ、養子を組んだ兄弟でもない。
ただ、リナの隣の家に住み、たまに夕飯を共にしたり、修行に付き合ったり・・・
一緒にいてくれることの多い、リナにとって唯一親しいと思える大人だった。
それでいて、シカマル達の担当となったアスマ。
シカマル・チョウジ・イノを呼び教室から出て行く際、リナはとても羨ましそうに4人のことを見つめていた。
なんだか捨てられた犬みたいで、アスマはリナの様子を気にかけていた。
だからこそ、こうして帰宅を待っていたのだ。
『アスマさんも、明日はシカマル達と演習試験なの?』
「ああ、そうだ。念願の忍(仮)になったんだから、落ちねえように頑張れよ」
『うう・・・・』
小さな頭にポンっと手を乗せれば、手とともにプレッシャーを感じたのか浮かない顔をするリナを見て、アスマはおかしそうに微笑むのであった。