幸せになろう
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「……うん、言ってないもん」
SNSのトレンドやニュースで知った、トップアイドルの引退。彼女とは一度ドラマで共演してから、度々連絡を取り、いつしか所謂恋人という関係になった。
最近はお互い忙しくて会えてなかったけど、まさか俺に何も言わずこんな大事な決断をしていたなんて思わなかった。
「言ってないじゃねぇっすよ、なんで……」
「うん、言ってからにするべきだったかも。ごめんね、狡いことして」
「狡いって何が……」
突然腕を引かれ、距離が縮まる。なまえはまっすぐ俺を見上げて、俺の左手をとった。
「……赤ちゃんできちゃった」
「…………っ、はぁ……!?えっ、うそでしょ、お……俺の……?」
彼女のお腹に手を当てさせられ、思わず顔が緩む。
「うん、ジュンの。……ごめんね。私はどうしても産みたいけど、ジュンが嫌なら……ひとりで育てる」
その言葉にかちんときて、俯いた彼女の肩を抱き、無理やり目を合わせる。
「嬉しいに決まってんでしょ……!産んでください、一緒に育てましょうよ……あ、だからその……け、……結婚、も、してくれます……か……?」
世界一だせぇプロポーズ、と自分でも後悔しながら彼女の返事を待つと、彼女は幸せそうに笑って俺に抱き着いた。
「もちろん!」
「ぅわっ、飛びつかねぇでくださいよ、体大事にしてください!」
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