ながらスマホできますか?

「伊地知さん、遅いな」

「虎杖ぃ、アンタちゃんと伊地知さんに連絡したんでしょうね?」

「したって!ホラ、見て!かしこまりましたって返事来てんじゃん」

伏黒の任務に暇を持て余していた俺と釘崎は任務を邪魔しないという約束で着いてきていた。任務は無事に終わり任務完了報告をすると伊地知さんが迎えに来てくれるというのでみんなで待っていた

「なんか急な用事とかでも入ったんじゃないか?伊地知さん、いつも忙しそうにしてるし」

「あ、来たんじゃない?」

釘崎が指をさした方向に目を向ければ見慣れた黒い車がコチラに向かってきており、スーッとそのまま俺たちの目の前に停車した

中から伊地知さんがこめかみにハンカチをあてながら降りてきて俺たちに謝った

「すみません、皆さん。お待たせしました」

「んにゃ、全然待ってないッスよ。な、伏黒」

「ああ、交通状況などもありますしそこまで気にしてないです」

伏黒がそう答えると車の後部座席のドアがガチャリと開いてすみれが飛び出してきた

「ゆーじ!」

「お、すみれ!どしたん?」

「あのね、すみれ、ゆーじたちのお迎えに来た!」

「マジか!サンキュ!」

「すみません、伊地知さん。すみれの面倒見ててくれたんすか?」

「いえ、たまたまですよ。虎杖くんたちをすみれさんが探していたのでどうせならと思い連れてきたまでです」

俺の隣で伏黒と伊地知さんが話しているのを聞きながら飛びついてきたすみれを腕に乗せて釘崎の方を向いた

「のばら〜」

「すみれ〜」

「すみれね、ゆーじたちのこと探してたの!でもね見つからなくていじちがコッチだよ〜って」

「私たちに用事でもあったの?」

「んふふ」

俺に抱き上げられたすみれはいたずらっ子の顔でクフクフと笑って俺と釘崎の前に嬉しそうにあるものを掲げた

「じゃーん!すみれのスマホ!」

「おーーー!」

「五条先生?」

「うん!さとるがねプレゼントってくれたんだー」

「すみれ、ちょっと見せて」

釘崎がすみれの首にかかっているスマホを受け取るとクルっとひっくり返してうげっと声を上げた

「見なさいよ、虎杖。コレ」

釘崎に言われてすみれのスマホを見るとケースがついていてそのケースにはキラキラと輝く蒼と紅の石が一粒ずつその存在感を放っていた

「え?コレ宝石?マジで?」

「五条先生よ?絶対にホンモノよ」

「すっげ」

「ねーねー、ゆーじ。のばらも。すみれとお友達になろ?いじちにね教えて貰ったからすみれ出来るよ」

クイクイとすみれが俺の制服のフードを引っ張るので俺はすみれを一度腕からおろしてすみれの目線に合わせるようにその場にしゃがんだ

「んじゃ、ほい」

「ん」

俺はすみれに言われたとおりにQRコードを差し出すとすみれは両手でスマホを持ち俺の差し出したQRコードを読み取った

「できた?」

「できた!ゆーじ!お友達っ」

「すみれ、次は私よ」

「はーい」

釘崎のQRコードも無事に読み込んだすみれは今度は伏黒にチラッチラッと視線を投げている

すると伏黒はなんの言葉も発することなくさり気なく自身のスマホを差し出した

「なんか言えばいいのにな」

「気取っちゃって」

「お前らマジで黙れ」

「できたー!お友達いっぱい!」

「あれ、そういえば伊地知さんは?」

釘崎の言葉に俺たちは視線を上げて伊地知さんを探すと少し離れた所でペコペコとお辞儀をしながら電話をしている伊地知さんがいた

「はい、はい。かしこまりました。よろしくお願いいたします」

「伊地知さんって電話するときお辞儀するよね」

俺たちが伊地知さんに近づくと電話を終えた伊地知さんは釘崎の質問にその理由を答えてくれた

「え?あ、こう電話する時って電話するぞって気持ちを作るので没入してしまうというか」

「伏黒は電話の時、よくイライラしてるよな」

俺はふと伏黒の電話のスタイルを思い出して口にした。というか常時イライラしてる気がする

すると釘崎は今度は俺の電話スタイルを口にした

「虎杖はよくウロウロしてるわよ。電話してるとき」

うんうん、と頷いてる伏黒を見るにどうやら俺はウロウロ派だったらしい

「え?そー?いやー無意識だから気づかんかった」

「マジで?」

「すみれは身振り手振りで表すタイプよね」

釘崎のその言葉にすみれを見るとぴょんぴょんと跳ねながら嬉しそうに電話をしているすみれが見えた

「五条先生かな」

「だろうな」

そんな会話をしていると突然、伊地知さんが俺たちにあることを聞いてきた

「そういえば皆さん、肩で電話を挟んでながら通話できますか?」

伊地知さんのその言葉に俺たちは各々のスマホを取り出して肩でスマホを挟んで見せた

なんなく出来た伏黒と俺

しかし自信満々に肩でスマホを挟んでいた釘崎のスマホは無情にも釘崎の肩からスルリと抜け落ちた

「「「あ…」」」

「あーーーーーーー!」

ながらスマホできますか?
「さとる!さとる!」
「すみれ〜。高専から出ちゃダメじゃん」
「ゆーじたち居なかったんだもん」
「もう、次からは必ず僕か傑に言うこと!」
「はーい。ゴメンなさい。さとる」
「あーーーーーーー!」
「え?なに?野薔薇??」
「のばらのスマホ、割れちゃった」
「あらま、ドンマイ野薔薇
じゃ、待ってるから早く帰っておいで」
「うん」

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