京都からの来訪者
すみれと伏黒、釘崎の3人は高専に設置してある自販機の前に立っていた
「すみれは何が飲みたいの?」
「ピンクのあまいやつ」
「ピンクぅ?そんなのあったかしら」
「アレだろ、いちごの」
「ん、ゆーじが前に買ってくれたやつ」
「いちごオレのことよね?って…すみれないわよ。そんな洒落たもの」
「むぅ」
「ほら、見てみなさいって」
釘崎が自販機の前から退いたがいかんせん釘崎が退いた所ですみれからは何も見えない
「…見えない」
すみれがポソっと言うと伏黒がすみれの両脇に手を入れてすみれを軽々と持ち上げた
「わっ」
「これで見えるか?」
「うん、めぐみ。いちごオレないって…甘いのどぉれ?」
「甘いやつ…」
「コレは?ココアは100%甘いでしょ。てかいちごオレはないのにココアはあるとか謎スギ」
「じゃあすみれ、そのココアにする!」
すみれの小さな指が釘崎が指したコゲ茶色のパッケージの下にあるボタンに触れるとピッという音とがしたあとガコンと音がして商品が落ちてくる
伏黒はすみれを下ろすと自販機の扉を持ち上げ、すみれは扉の中にあったココアを取り出した
「のばらとめぐみは何にする?」
「そうね…」
取り出したココアに付属のストローを刺してちゅーと飲みならがすみれは伏黒と釘崎に問いかけた
「茶」
「すみれがおす!」
その言葉に伏黒は再びすみれを持ち上げて指示を出した
「その上から…そう。それ」
「うぃ」
すみれがポチッとボタンを押すとすみれが飲むココアと同様にガコンとお茶が入ったペットボトルが取り出し口に落ちてきた
取り出し口からペットボトルを取り出すとキャップを開けてゴクッと喉を潤していると横目で釘崎がボタンを押しているのが確認できた
「はぁ…自販機もうちょい増やしてくんないかしら」
釘崎は自分で買った缶を取り出しながら呟く
「無理だろ、入れる業者も限られてる」
「そうかもしれないけどすみれが言えばいちごオレくらい喜んで入れそうな保護者、私知ってるわよ」
「まあ…あの人たちなら喜んで入れそうだな」
「さとる?さとるに言えばいちごオレ飲める?」
「五条先生でも夏油先生でも家入さんでも、大人なら誰でもよ。むしろあの3人以外にもすみれを可愛がってる大人は絶対にいる」
「じゃあすみれ、さとるにいう!いちごと〜りんごと〜ミカンもほしーなー」
小さな手のひらを広げて一本ずつ指を折り曲げて嬉しそうにするすみれの奥、校庭へと続く場所に人影が2つできた
伏黒はその影の正体に気づくとすみれの手を引っ張りすみれを自分の身体で隠した
「めぐみ?」
「シッ、ちょっと黙ってろ」
そう言うと伏黒はその人影の一つに話しかけた
「なんで東京にいるんですか?禪院先輩」
「あ、やっぱり?雰囲気近いわよね。姉妹?」
2つの人影のうちの一つは華奢な女性でどことなく真希に似ていたのだ
「嫌だなぁ。伏黒くん。それじゃあ真希と区別がつかないわ。真依って呼んで」
彼女の名前は禪院真依。呪術高専 京都校の2年で真希の双子の妹だった
「コイツらが乙骨と3年の代打…ね」
そして真依とは別のもう一人はとても大きな男
「アナタ達が心配で学長についてきちゃった。同級生が死んだんでしょう?辛かった?それともそうでもなかった?」
同級生が死んだ
真依のその言葉を聞いて伏黒の後ろに居たすみれがぎゅうっと伏黒のジャージを握りしめた
「…何が言いたいんですか」
「いいのよ、言いづらいことってあるわよね。代わりに言ってあげる。"器"なんて聞こえはいいけど要は半分呪いの化物でしょ?そんな汚らわしい人外が隣で不躾に"呪術師"名乗って虫唾が走ってたのよね?」
口元を抑えながらもニタァと口角を上げた真依は言葉を続ける
「死んでせいせいしたんじゃない?」
「真依、どうでもいい話を広げるな。俺はただコイツらが乙骨の代わり足りうるのかそれが知りたい。伏黒…といったか?どんな女がタイプだ」
「「?」」
「たいぷ?」
「返答次第では今ココで半殺しにして乙骨…最低でも三年は交流会に引っ張り出す」
そう言いながら真依の隣に立つ男は自身が着ていた服をビリビリと破り捨てると…
「ちなみに俺は身長と尻がデカイ女がタイプです!」
「たっぱ?けつ?」
「ダメよ、すみれ」
「あら?東京はいつから保育所になったのかしら」
「その髪型はっ!!!」
「ひっ!」