転生者研究所







「新しい転生者だ、収容しておけ!」


私が意識をなくしている間に転生者研究所という所へ来たらしい。
建物の中に入ったところで叩き起されて廊下を歩かされ、牢のようなことろで立ち止まった。

 
「さあ、ここに入ってろ!天術は使えん、大人しくしていることだな」
「……はい」


言われるがまま私は牢の中に入り、私を連れてきた人は牢の外に出ていった。
周りを見渡すと、牢の中には私以外に女の子が1人と男の子が1人いた。
私と同じように捕まってしまった異能者――転生者なのだろうか。
そう考えていると、女の子が私に話しかけて来た。


「初めまして、こんにちは」
「初めまして」


色白で小顔の可愛らしい子だった。
まるで夢の中に出てくるサクヤみたい……。


「私はチトセ……チトセ・チャルマ。よろしくね」
「ヨハンナ・ミルダ、です。よろしくお願いします」
「ここに来た、って事は……あなたも転生者なの?」
「ええ、まあ。あの……転生者、って何なんですか?」
「転生者とは、前世の記憶を持った人達のことよ」
「前世の記憶……?」
「そう。貴方も、繰り返し見る夢……無かった?」
「あった……ありました。あれが、前世の記憶……」


――エイルが、私の前世……?


「そうなの。私、ずっと昔から探している人達がいてね、その人達もきっとどこかで転生しているはずなの。その人達を探す為に教団に入信しようと思って」
「そう、なんですか……見つかるといいですね」
「ええ。ありがとう」


//2019.05.01
//2021.10.30 加筆修正
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