適性検査







「これより適性検査を行う! ルカ・ミルダ! イリア・アニーミ! スパーダ・ベルフォルマ! ヨハンナ・ミルダ! 以上4名、出ろ!」
「ああ?適性検査だと?何やらされんだよォ」
「貴様の戦闘能力を検査する。詳細は話せん!」
「戦闘、能力?どうしてそんな……」
 

イリアと話していたら、突然呼び出しを受けた。
戦闘能力の検査――そんな検査をして、何の役に立つのだろう……。
スパーダくんは上等だ、と嘲り笑っていたし、お兄といったら不安そうな声でチトセがなぜ呼ばれなかったのかを聞いていた。教団への入信希望者は検査は免除されるからだと答えた。
案の定お兄がすかさずじゃあ入信します……と言いかけると、しっかりイリアとスパーダくんによって遮られた。
がっくりと項垂れるお兄に、チトセが気を付けてね、と言っていた。
何だろう、甘い雰囲気……??




§





そして私たちが連れてこられたのは、大広間のような開けた場所。


「これより適性検査を行う。目の前の敵を倒せ、以上」


と、言われても目の前には軍人さんが1人しかいない。
4対1? 圧倒的にこっちの方が有利なのでは……?
そうこうしているうちに、軍人さんがおい貴様!とお兄の事を指差し、我がラティオの同胞達の命を贖わせてやる!と怒りを露わにして……姿を変えた。


「!これは……ラティオ軍の…」
「なん、だこりゃあ?!」
「人間じゃないじゃない!」
「アスラァァ!!コ・ロ・スゥゥウ!!」
「う、うわあああああ!!」
「!お兄、危ない!」
 

瞬時にうさぎを大鎌に変え、お兄の前に立つ。

 
「蒼雨、閃ッッ!!」


これは、行ける。
目の前のこの軍人さんは……敵だ。


「皆!」
「おう!虎牙破斬ッ!」
「ツインバレット!」
「ま、魔神剣!」


敵。
そう思わないと戦えなかった。
……大鎌が重たくて上手く振るえない。
でも、お兄を守らなきゃ……!

 
「インスペクトマジック! ……皆、あと少し!」
 

今、私達がやっている事はただの人殺し。
ああもう、何でこんな事になっちゃったんだっけ。


//2019.05.01
//2021.10.30 加筆修正
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