3日目

 3日目。
 
 2日目からの記憶は引き継いでいるようで、「こたろう、おはよ!」と挨拶をしてくれた。
 
 ……が、その日のお昼時のメインルームにて。
 
 「スティンガーお兄ちゃん、遊んでー!」
 
 小さくなったアダナ姉ちゃんは、兄貴がお気に入りになったようで。
 
 「何でだよう……」
 
 ショックを隠しきれず、端の方で三角座りで落ち込む俺。
 
 多分頭上には紫色の縦波線とズーンという効果音がついているだろう。
 
 くそ……あの兄貴の緩みきった顔をコグマフラーで殴りたい。
 
 「司令……あんな小太郎見ていられません」
 
 「そうだねえ……とりあえずラプター、スティンガーからアダナちゃんを奪還するんだ!」
 
 「えっえ?お、オッキュー!?」
 
 ラプターは若干戸惑いながらアダナの元へ行った。
 
 どうやら兄貴とアダナ姉ちゃんを離してくれるらしい。ナイス。
 
 「アダナ?」
 
 「なぁに、ラピュター」
 
 「それは天空の城です! えぇっと、アダナ? スティンガーは忙しいんです。 なので歳の近い小太郎と遊びましょう?」
 
 ゴクリ。
 
 自分が生唾をのんだのが分かった。
 
 「…………や!」
 
 そう言うや否や、ササッとスティンガーの後ろに隠れるアダナ姉ちゃん。
 
 「ええっどうしてですか!?って、スティンガー!鼻血鼻血!!」
 
 手で鼻を覆っているものの、手のキャパオーバーで鼻血が溢れだしていた。
 
 ラプターが脱脂綿やらティッシュやらを大量に兄貴に渡している間、俺の脳内は先程のアダナ姉ちゃんの言葉が延々とリピートされていた。
 
 ……や!……いや!……嫌!
 
 「うわぁぁあんんんもおおおう」
 
 「まずいよラプター! 小太郎がさらに酷くなってしまった!!」
 
 「いっその事誰か俺を殺して……」
 
 「小太郎!チキュウを救う希望の星になるんじゃなかったの?!!」
 
 「もうやだ……」
 
 「小太郎ーーーーーー!!!」
 
 「いや!待ってください! さっきのアダナの言葉……アダナはきっと『つんでれ』です!!」
 
 「つんでれ?」
 
 またも聞いたことのない言葉に疑問を浮かべる司令。
 
 「アダナは好きな子にはツンツン……素っ気ない態度をとってしまうんです! アダナは先程、小太郎に素っ気ない態度をとっていました……つまり!」
 
 「!! なるほど……青春だねえ」
  
 アダナ姉ちゃんが元に戻るまで、あと4日。
 
 僅かな希望に、今度は俺が鼻血を出す番だった。
 
 (どうやら機嫌は直ったみたいですね♪)
 
 (意外と単純だったねえ)
 
 
//2018.06.10[back]