『そう、見えますか』
震える声で、聞き返した。
「はい、少なくとも、僕には。で、何かありました?」
と、疑問形で聞かれるにはあまりにも確信を持ったような言い方で。
この人に嘘をつくのは無理だと観念した私は不破さんとの出来事について、話すことにした。そもそも嘘をつく気なんてなかったけども。
『……生きていて、関わりを持つかも分からないような、私とは本当に無縁の生活をしている人と出会って。』
「人間、生きていて何が起こるか分からないものですからね。それで?」
『そう、ですね。その時に零した誰にも言ったことのなかった言葉を拾われて、「君は、大人っぽいように見えて、誰よりも幼いんだね」って、言われて、』
「それが自分の心のピースにはまったと。」
『はい。それで、自分はもう少し人に甘えていいと、言われました。』
「なるほどなるほど。いや、いいんじゃないですか?それで。」
『そう、ですかね。』
「はい。ライバーなんて自分の素を出さないと長く続けてなんて居られないんですよ。長時間猫をかぶり続けるなんて、普通の人は無理です。あなたが決めた方でいいんです。あなたが好きなようにやって、付いてくるのがリスナーです。」
ちなみに僕も、今のあなたの方が楽しそうでいいと思います。
『……ありがとう、ございます。』
「いえ、僕は自分の意見述べただけなので。まあ、頑張ってくださいよ。応援してます。さて、ご飯食べ進めましょう。」
『……はい』
嬉しかった。自分を認められているようで。
不破さんと出会って、やっぱり、いい方向に進んでいる。
剣持先輩にも、不破さんにも、感謝をしなければ。
いい人達に、恵まれた。