「あ、〇〇ちゃんだぁ。駅で会うのは結構久々じゃない?」
『……不破さん。』
今日まだ夕方。普通に外に出て、買い物をしていた時だった。
名前を呼んだあの日から、結局羞恥心に襲われて、苗字呼びに戻した。
慣れることはするものじゃないなあ。不破さんは不服そうだったけど、まだ私にはハードルが高い。
「今日?」
『普通にお出かけをしてたの。不破さんは?』
「おれはふらっとしてただけよ。……ねぇ、暇ならこのあとご飯行かん?ちょっと早めの夕ご飯!」
『いい、けど。』
「やっちゃ!じゃあこのまま電車乗ろか」
不破さんと駅以外で対面して喋るのは、これが初めてになった。
「〇〇ちゃん何食べたいとかある?」
『特にないかなあ。ふわさんは?』
「ん〜〜〜……焼肉とかでもい?」
俺も全然考えてなかった、と笑う不破さん。
『ぜんぜんいいよ。じゃあ、お店探す?』
「あ、この辺なら俺分かるかもしれん」
『じゃあ、案内お願いしてもいい?』
「任されましたと。この私、しっかりと姫をエスコートさせていただきます。」
『ふは、なにそれ』
「ホストよホスト」
唐突なホストムーブに笑ってしまった。こんな感じなのかなホストって。