慈愛に満ちて


6-2







「なあ、〇〇ちゃん。名前がダメなら、せめてさんじゃなくて君はどう??」


駅でそのまま1駅移動し、駅内を出て不破さんが案内してくれる方向に歩いている時。



『……諦めてないの?』

「んは、そりゃそうよ。だって好きなんだもん」

『……すぐ好きとか言うじゃんん……』

「思ったこと言ってるんよ、〇〇ちゃんが諦めて慣れるか俺を好きになるしかないね。」




『…………やだぁ』

「んはは!やだやだ期?赤ちゃんやな」

『ちがうう……』


「で、ダメかにゃあ……」

『………………な、慣れるまで待ってね、』

「やっちゃ~~~!!!!」


もうこの人は何を言っても諦めてくれないのだろう。

甘くて甘くて、抗おうとしてみても、毎回私が負けている気がする。


そんなことを話してると、お店に着いたみたいだった。



「んあ、着いた!」

『案内、ありがとう』

「いーえ、姫をエスコートするのがお仕事、私の基本ですから」

『まだやってたんだ、ホストムーブ……』




やっぱり、違和感がない。いや本物のホストなんだから、そうなんだけど。




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「〇〇ちゃん、お酒飲める?飲む?」

『ちょっとだけ、なら』

「飲む?」

『じゃあ、1杯だけ。』



「了解!お肉適当に頼んじゃってい?嫌いなもんあるなら言ってええんよ」


『大丈夫だよ、ありがとう』




そしたら不破さんは店員さんを呼んでぱぱっと頼んでくれた。


「駅以外で会ったことないからちょっと新鮮やね、んはは、駅もいいけどぉ、これもいいねえ」


『そう、かな?まあ、言われてみれば確かにそうかも。』

「うんうん!そうよ」




駅だと長時間いることもないし、人も沢山通る。

だけどこういうお店に来れば、そんなことはない。



ご飯を食べながらゆっくりできるし、飲食店特有のガヤガヤした音は聞こえるが、別に沢山の人が目の前を通り過ぎることがある訳でもない。



『まあ、……不破さんと対面でゆっくり話せるのは、いいかもしれませんね。』


「…………ッスゥー……このたらし!!俺もそう思ってるけども!!」



『ええっ』



急にでかい声をだす不破さん。情緒不安定過ぎる。



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