慈愛に満ちて


6-3









それから、不破さんが頼んでくれたご飯が届いてまた他愛もない雑談が始まった。




「あ、そうだ!最近俺ねぇ、やりたいこと見つけたんよ」

『……やりたいこと?』



やりたいこと、とはなんだろうか。単純に趣味の範囲内なのか、どこかに行きたいとかそういう欲だったりだとかなのだろうか。


それとも、ホストをやめて、他にやりたいことが出来たと言うことなのだろうか。




「そう、やりたいこと。今はちょっと言えんけど、そのうちわかると思う。」


その笑みが何となく含みのある、愉快だと伝えて来るような、闇に引きずり込まれそうな瞳に見えて、思わず目を逸らした。




『…不破さんの、やりたいことなら応援するよ。…がんばって。』



気まずさと気恥ずかしさが混ざって、落ち着く為に自分のお酒を煽った。



「んはは、そっかあ、ありがとぉ」


次に目を見れた時にはもう、あの深さは瞳に残っていなかった。






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〇〇ちゃんと夕ご飯に来て、2人で焼肉食べて、ちょっとだけお酒飲んで。普通に楽しんでいただけだったのに。

しまった。こんなことになるとは思ってなかった。




「めちゃめちゃ酔ってるなぁ……お酒のましたん間違いだったかぁ……」


『……ちょっと、不破さん?きいてるの、?……』


そこには酔ってめちゃめちゃ甘えたになった〇〇ちゃんがいた。



「聞いとるから、スゥ、アノ、〇〇ちゃんちょっとお水飲もかぁ」

『やだぁ』

「やかぁ〜〜〜こまったなあ〜〜〜」




こんなイベントが起きるなら、早めに言っておいて欲しかった。
どうにかして少し酔いを醒ましてあげなければ。



『ねぇ、、ふわさん全然聞いてないよ、』



「はは、聞いとるよ、一旦ね?一旦ちょっと落ち着こ」


『聞いてないっていうのそれは〜〜〜、、ふわさーん、ねぇ…………みなとくん』


「ドわっ、エッ…………ッスゥー……」


誰か俺を褒めてくれ。そして助けてくれ。
この状況でも美味しいと思ってしまう俺と俺の良心がせめぎ合って、ああもう、大変なことになりそうだ。



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