慈愛に満ちて


6-5







『やらかした…………』

完璧にやらかした。起きての第一声はそれだった。



お酒を飲んでふわふわしていたあたりの記憶はうっすらあるが、完璧に酔っていた頃の記憶が全くない。何一つ覚えていない。


あの後私は何かやらかしてしまったのだろうか。
記憶が無い分本当に何をしたか分からなくどんどん焦っていく。


『全然わかんない……』



私はどうやって帰ってきたのか?不破さんといつ別れたのか?もう全然思い出せない。お酒なんて飲むんじゃなかった。

そうだ、とりあえず不破さんに連絡を取ろう。あの後何があったのか教えてもらわなければ。それで、謝ろう。絶対に迷惑をかけている気しかしない。



スマホを手に取って、すぐ不破さんに連絡をしようとしたら昨日の時点で不破さんから先に連絡が来ていた。





「おはよう〇〇ちゃん〜〜、よく寝ましたか?👶昨日は〇〇ちゃんが酔っちゃったのでタクシーでそのままおうちに送っておきました!!!」

「俺でよかったね、いつもあれくらい甘えてくれてもいいんやけどね☺️!!」




『……はああああ……』

とりあえずめちゃめちゃ迷惑をかけてしまってることを察した。なんだタクシーで送られたって。お金はどうした?どう考えても不破さんが出している。

甘えてくれていいのに??もしかしてめちゃめちゃやらかしてないかこれ??



『と、とりあえず連絡しよう……』

もう二日酔いで頭が痛いのか迷惑をかけてしまった罪悪感で頭が痛いのか分からない。



そして謝罪をしよう。とりあえずそれから昨日の話を聞こう。うん、話はそれからだ。



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