慈愛に満ちて


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〇〇〇〇



「おねーさん、名前聞いても、いいすか」

『あ、澄晴、〇〇、です』

「〇〇ちゃん、ね、ありがとう」

『私はいいんです』

いや急に名前呼びか……まあいいけども、職業柄だろうか。

「ね、ちゃん、次の電車来るまで、俺のはなし、きいてよ」

『なんで、私?』

「んはは、俺今、酔ってるし、疲れてるし。ただの他人のホストの戯言だと思って聞いてよ」

『……まあ、いいですよ』


きっと、私も疲れていた。普段なら断っていたであろう話を了承した。

彼も疲れていた。彼もそうじゃなければ、
初対面の赤の他人に相談なんてしないであろう。



「んは、やっちゃあ。…………俺、頑張ってるんスけどねェ……。んはは、……上手く行かんことも多いし、手ぇ出そうになることあるけど、はは。……まけたくない。」

やんなっちゃうねえほんと、なんて言う彼。

ちぐはぐな言葉。途切れ途切れで、 話が飛ぶ。しかも重い。本当に初対面に話すことではない。

やっぱりちょっと変な人だったかもしれない。

「あの、」

「……なぁに?」

『人には、一人一人の個人差があります。』

「……」


『私は、貴方の職業についても詳しくなんてないし、あなたの事にすら全く知らないから、私は私の話をするけれど』

すごくじーっと顔を見られている。

なんだよお、あなたが先に重い話したんじゃないか。

『私なら、手が出そうになるような事が起きる場所には。いたくない。きっと逃げ出します。』

『逃げ出さないというのは、簡単ではないのです。でも、貴方は逃げ出さないという選択肢を取った。負けたくないから。』

それだけで、今は、充分です。と呟く

『別に人間、疲れた時は休めばいいんです。』


逃げないと決めた以上、たくさんの出来事が起こるのだから。休まないなんて、無理なのだ。



「……んはは」

『語ってすみません、でも貴方、これ初対面で話します……?』


「はは!俺今酔ってるからわかんないにゃ〜〜〜!」


『えぇ……』





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