「あっ、」
「ん?」
「本物だ……」
「え?」
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平日の14時事務所で2人、不破とりりむはばったり出会った。
「本当に、〇〇ちゃんのこと追ってにじさんじデビューしたんだ……」
りりむは新人の顔を見て、あの「恩人さん」と知った時澄晴の次に驚いたのだ。恩人さんの顔を知るのは澄晴を抜いたライバーはりりむ一人だったのだから、当然のことだが。
「スねぇ。あのぉ、本物だは多分俺のセリフ……」
不破はそんなこと知る訳もなく、なんで先輩に「本物だ」と言われたのか不思議そうにしていた。
「あっりりむ、〇〇ちゃんからツーショット見せてもらったことある、頼んだのもりりむ!」
「あぃええ…うぉぉ…!」
不破は驚いたような変な声をだして、ばっとりりむの方を向いた。その目はさっきよりだいぶ輝きを持っているような気がして。
「……りりむもしかしていい仕事した?」
「あいゃあ、そりゃもう最高っすねぇ……」
不破は大変感謝した。この写真はとっても特別な写真なわけで。不破のホーム画面には撮ったその日から二人で撮った写真がずーっと設定されている。
「〇〇ちゃんが言ってたけどさあ、ふわっち〇〇ちゃんにもう告白してるんでしょ?」
「し、ましたねぇ。……それも〇〇ちゃん言ったんか、ふふ」
不破は告白したことについて、告白をしたあの日から澄晴に一切触れられたことがなかった。彼女のことだから忘れてはいないと思っていたけれど、まさか人に話しているとは思っていなかった。へえ、話したんだ、と段々と顔がにやにやし始めたところに、りりむが疑問をぶつけた。
「嫉妬とか、しないの?」