妹が答え合わせをします。









披露したマジックにはしゃいでくれていた歩美ちゃん、光彦君、元太君は


夕方のチャイムが鳴ったのでお開きにし、帰っていった。




哀ちゃんは阿笠博士と暮らしているそうで、


お邪魔しているのは私とコナン君と沖矢さんの三人だけとなった。

といっても、沖矢さんもお隣さんらしくちょくちょくここに通っている半住人のようなのだとか





あれ、コナン君は帰らなくて大丈夫なのかな・・・?



「ねぇ優おねーさん、結局どうやってティッシュを消したの?」


僕、気になっちゃって


と、くりくりとした目を向けて教えてとおねだりする様が可愛らしい。


私も弟がほしかったなぁ・・・なんて思いつつ答える




「ホントはね、消してないの」


「え?じゃあどうやって・・・」


「えいっ、って後ろに放り投げただけなの」


種明かしすると、なんとも子供だましなのでちょっと恥ずかしい。






「でも、ソファーにあったティッシュはどうやって・・・・・・、まさかっ!?」


コナン君は真相にたどり着いたらしく、沖矢さんをみていた。





「えぇ、僕ですよ。優さんが、光彦君にティッシュを取るよう頼んだ際に仕掛けておきました。」




確かに、光彦はマジックが始まってからは席を立っていない。

しかし、その前に席を立っていた。


つまり初めから仕込まれていたのだ。





「昴さんも協力してたなんて・・・」


ははは、なんてコナン君の乾いた笑い声が響く。




高校生と大学院生の二人がかりで子供たちを騙すなんてまさか想像しないもんね、


なんて私もつられて苦笑いする。








「マジックには、アシスタントはつきものよ。」


「灰原は分かったのかよ?」




「最初は分からなかったわ。でも、カウンターの辺りに転がっているティッシュを見つけてピンときたわ」


「あっ、ごめんなさい私が投げたのに・・・」



私に気にしないで、と返す哀ちゃんはほんとに大人びていて、

ついまじまじと見てしまった。



「・・・なに?」




「あ、いや・・・えっと、コナン君も哀ちゃんもすっごく大人びてるからホントは私なんかより年上なのかな、って思っちゃって」





おかしなことを言っていることにちょっと恥ずかしくなって


そんなことあるはずないよね、と締めくくる







「そっ、そーだよっ!!そんな非現実的なことあるわけないよっ!」



ちょっとした冗談として笑ってすむかと思ったら私の言葉を全力で否定するコナン君が挙動不審だった






「ほぉー…なかなか面白い発想ですね優さん。じっくりお話を聞いてみたいな、」


「昴さんっ!」





よくわからないけど、コナン君と昴さんだけの秘密があるみたい・・・?








そんなこんなで、私たちも阿笠博士の家を後にした。


いつもとは異なり、軽い足取りで家に帰った優だった。

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