ぬくもり







日曜の朝、のろのろとベットから体を起こす。


朝日がカーテンからこぼれ落ち,窓からは日が照りつけ、光りが溢れている。

西洋風の部屋は眩しさに目を細める。日曜でも、休日出勤のため仕事の用意をしなくてはならない。



工藤家のアンティークを目に写すも、用意を進める。

すると、奥からトントンとリズムが流れている。


不思議に思い、リズムが流れている部屋へ向かう。音はキッチンから流れていた。



「何してるの?」

「見て分からないですか?料理をしています。」


そう、と驚きで言葉にならない呟きをキッチンにいる沖矢に伝えていた。

彼は呆然としている私を見つめると、私に近づき髪を撫でる。
沖矢は私の髪を味わうように撫でながら、右の口角をあげる。



「優、寝癖がついてますよ。」

顔が熱を帯びていくのが、自分でもよく分かる。
慌てて、洗面所へ駆け込んで身支度を整えていく。


メイクも終わり、キッチンへ戻ると沖矢が料理を出していた。



爽やかな朝に、涼しげな顔の沖矢。珈琲を口にしながら、私を待っていたのだろう。

たが、テーブルにおいてある料理は爽やかな朝には重い、カレー料理であった。
沖矢は鍋料理しか出来ないがまさかカレーを作るとは予想外だった。


朝からカレーは重いが、せっかく沖矢が作ったものだ。有り難く頂くことにした。
スプーンに沖矢のカレーがのせられ、口にする。


「美味しい!」

やはり、沖矢のカレーは絶品であった。

「そうか」


満更でもなさそうに口角があがる。こちらを沖矢はみていないが、優しい空気が伝わる。

珈琲を片手に、新聞を読んでいる。
なんとなく、平凡な日常を沖矢と過ごせていることに幸せを感じた。





「じゃ、行ってくるね。」

玄関から振り向き、沖矢に告げる。沖矢は何か言いたそうにこちらを見つめてくる。

その事に首を傾げ、私も沖矢を見つめると、唇から温かい温もりが伝わる。
沖矢の唇であることは明白だ。




「気をつけて下さいね。」


なんてさらっと何事も無かったように振る舞う沖矢に恥ずかしさと嬉しいが混ざりあう。


沖矢の言葉に返事も返さず、玄関をでて仕事へと向かう。

いつもの憂鬱さなどあの温もりで消えた。





あなたの温もりにいつも振り回される
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