銀杏の葉=あなた







黄色と赤の木々によって辺り一面を染められた公園。


銀杏と紅葉、秋らしい光景に私は胸が躍った。



「わぁ!!素敵っ!」


連れて来てくれてありがとうございます安室さん、
一緒にドライブに行こう、と誘ってくれた安室さんに私は感謝を伝える。


こんなに素敵な景色を目に出来たこと、



それと、



「喜んでいただけて良かった、」


安室さんと二人でここに来られたこと。


優しく笑ってくれる安室さんに、一層胸が躍る。

安室さんが私を誘ってくれたのは・・・そういうことなのかな?


独りよがりじゃなくて、通じ合っていたらいいなと思ってしまう。


自然と熱くなる頬を誤魔化すように視線を鮮やかな木々に視線を向ける。


「綺麗な紅葉・・・」


ちょうど風に吹かれて地面に落ちてきた紅葉を拾う。
くるくると真新しい紅葉をまわして遊ぶ。



「そうですね、でも・・・」



持っていた紅葉を手から抜き差って、
安室さんは私の髪にいつの間にか付いていた銀杏の葉を取って目の前に差し出してきた。



「僕は、優さんに相応しいのはこの銀杏の葉だと思います」



視界を染めるその黄色は、安室さんの髪色に重なった。




だからこそ、その言葉には違う意味が含まれているような、そんな錯覚を起こしてしまいそうになる。

「そう、でしょうか」



「えぇ、紅葉なんかより優さんにはこの銀杏だ。」


お互いに伝え合った訳じゃないけれど、言葉なしでも感じられる想いがあって。
素直に言葉にしないのは私も安室さんも怖がりだからなのかもしれない。



「ありがとうございます。」



渡された銀杏の葉を、そっと受け取った。
そして、その葉にやさしく口付ける。



「・・・っ、」

ちらりと安室さんを見ると、顔を勢いよく逸らされた。


銀杏の葉のように輝く彼の髪の隙間から見える耳はほんのり赤い気がする。

落ち葉のようにちょっとずつ貴方への想いが降り積もっていくの。



臆病な私の精一杯の告白を、受け取ってください。

――――私の最愛は銀杏の葉。
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