腹が減っては何とやら





結果から言うと、同じ布団で一緒に寝ることになった。



両方がこの状況を鑑みて理解した上で、寝床が欲しい大包平と寝床を譲りたくない私との妥協点ということでこう決定したのだが、想像しただけで既に狭そう……。







とにかく30分にも渉る話し合いはなんとか(軽傷程度で)終了し、今私は夜ご飯を作っているところだ。まだご飯を食べていなかった私は腹の虫が空腹を訴えていたし、大包平は空腹らしく私の霊力を食らおうとしていた。だからそれを阻止し、まずは私が食べて元気を付けようということになったのだ。


お風呂って、と聞けば、頑張れば入れないこともない、と返ってきたのでそれなら別に入らなくていいと言っておいた。だって水道代もガス代もかかるし、頑張ればってことは霊力を使うってことでしょ?それってきっと、つまりは私の霊力を多く食うってことだよね。そこまで言えば、よく理解している、と言われた。当たり前だ、私の生活に関わるのだから。



ちなみに大包平は、後ろでウロウロしている。正直邪魔。気配が既に邪魔。まあそんな事は言わないでおくけど。犬みたい、と想像してちょっと笑いかけた。これも言わないけど。


自分用のオムライスを作り終えて低く小さな机に向かえば、横から覗き込まれて何だそれは、と問われた。おい、変なものを見るような顔をするな。しかしいい匂いには感じるらしく、興味津々なのは隠してても雰囲気で分かった。


オムライスって言って、溶いて焼いた卵で味付けしたご飯を包んでるんだよ。


そう教えてやれば、フン、まあ食えそうではあるが、なんて素直でない言葉が返ってきて、今度は我慢できずに笑ってしまった。大包平は大変不本意そうな顔をしていた。