Lantern


竹谷


あーあ、私もC班が良かった。
当時同じクラスの佐藤くんに人知れず思いを寄せていた私は、佐藤くんと同じC班の快活で美人な上に程よく男勝りな【芽依ちゃん】が修学旅行に託けて彼に告白するんじゃないかと気が気じゃなかった。

中学2年生の秋。2時間半かけて新幹線で北上した2泊3日の修学旅行は奈良、京都と順に回りながら日本の古き良き歴史に想いを馳せ、名残惜しくも修学旅行最終日は大阪が誇るテーマパークで半日遊んで思い出作りである。
仲の良い子とグループを作りアトラクションに乗ったり食べ歩いたり…なんて自由は何処にもなく、大人の事情によって出席番号の早い順で規則的に振り分けられた班による集団行動は七面倒臭くてならない。想像して欲しい。所属するグループも違えばこれといった接点もなく、名前だけ知ってるクラスメイトと急にテーマパークで班行動を強いられるのである。テーマパークの陽気なミュージックや非日常を演出する施設を前にしても何を話せばいいのやらで自然と口数も減る。オマケに行動方針は多数決だ。数の暴力が少数意見を潰す。三半規管が弱いからジェットコースターはあまり得意じゃないと乗車を断ったのに、班員5名中4名がジェットコースターに乗りたいと手を挙げたため仕方なく付き合うしかなかった。
毛糸玉を落としたような長く蛇行する列に並び、頭上から聞こえてくる悲鳴に恐怖を煽られながらも先の見えない長蛇を形成する1人として小さな隙間を埋めるように仕方なく前へ進む。前方を見ると班員の子がペアペアでシレッと仲良くなっており、私一人だけ蚊帳の外。寂しさを紛らわすために空を眺めたり列の進み具合を眺めたりしていると2つ蛇行した列の先にC班の芽衣ちゃんがいた。その隣には不運にも佐藤くんが肩を並べており、ケラケラと口元を抑えて楽しそうに笑っては時たまに腕を叩いて巫山戯たりしている。5人で1班構成のはずが、3人と2人に分裂し見るからに2人っきりの空気感がカップル特有のそれで何だかモヤモヤする。
私の方が佐藤くんに片思いしてたのに。小学三年生からずーっと温めてきた想いを押し退け、進学先でぽっと出てきた他所の子が横取りするなんてマナーがなってない。あと単純に狡い。卑怯者。

「あっ」
「わっ!?」

そんな惨めったらしい感情を募らせ誕生間近のカップルを凝視していたらバチが当たったのだろう。後ろに並んでいた子のスニーカーの靴先が私のローファーの踵を踏み前のめりになった。幸い前の班員のこの肩を掴んだので転ぶ事はなかったが、急に肩を強く掴まれたことに班員の子は分かりやすく機嫌を損ね、振り返ると踵を踏んづけてしまった子は気まずそうに視線を泳がせて申し訳なさそうに謝った。
今の私はとても機嫌が悪く、誠心誠意謝られたところで許せそうになかった。しかし踵を踏んづけた人の雰囲気がほんの少しだけ佐藤くんに似ていたのでまぁ許してもいいかもと偉そうな思考が正せない。『気にしないでください』そう一言伝えれば終わる話なのに、想い人のそっくりさん目の前に謎に緊張して言葉が中々出てこない。そうやって私がモタモタしてるうちに佐藤くん似の彼を友人達が口々に茶化し始め『誠心誠意ちゃんと謝った方がいいぞ』と巫山戯出すものだから、徐々に居心地が悪くなって先頭に並ぶ班員の前へと移動した。
ああいう男子のノリが吐き気を催すほど苦手だ。誠実に謝ってくれた言葉もあの巫山戯たやり取りのせいで全て台無しである。
場所を移動してからは特に会話が発生するようなイベントはなく、乗車口前のキャストに人数を聞かれ、私は『独りです』と答えた。
同じ班員の子から特に言葉をかけられることはなかった。当然のように私が1人、残りは予定通りペアペアの組み合わせで搭乗口ゲートの前に案内される。よりにもよって何故1番前なのだろう。案内されたゲートはどう見ても先頭車両の頭。数分後に待ち受ける拷問にも等しい体験に私は手を挙げて離脱してしまいたかった。しかし自由時間の半分以上を乗車待ち時間に使ってしまった手前、何も体験せずに帰るのはすごくもったいなくて手を挙げようにも挙げ辛い。オマケに2列を1人乗りできるかと思えば、先程私のローファーを踏みつけた彼が相乗りするようで気分が重い。
キャストの合図に合わせてゲートが開き席に乗り込む。周りはテキパキとベルトなり安全装置を確認するなか私の要領の悪さが露呈しキャストの方が困った顔で身支度を手伝ってくれた。これで大丈夫ですよと体が動かないよう固定され、ありがとうございますと伝えつつも本心は『ひとりで安全ベルトも嵌められないなら降りてくださいませんか?』とキレられて乗車拒否されたかった、と少し残念だった。
『行ってらっしゃ〜い』の合図とともにコースターが動き出す。重量不可に耐えるレールの軋む音にコースターが脱線して身動きもとれず死ぬんじゃないかと嫌な想像が募る。
離れていく乗り場に「最悪…」と心の声が漏れる。すると隣に座った彼が小さく笑って「大丈夫か?」と声をかけてきた。

「あのさ、もしかしてこういうの苦手?」
「え?…わたし?」
「そう。君に話しかけてる。顔色悪そうに見えるけど気分悪いのか?吐き気はあるのか?良ければ俺が係員に伝えようか?今ならギリ間に合いそうだし」

伝えるなら今だと地面と平行のまま走る中、彼は首を捻って手を振るキャストへと顔を向ける。どうする?と尋ねられ、私は3秒考えて首を横に振った。

「いえ、大丈夫、です。顔色が悪いのは、ちょっと怖そうだなあって…それだけ」

本当は今すぐにでもコースターから降りてしまいたかったが私一人のためにコースターを止める訳にも行かないだろうし、このコースターにはクラスメイトが乗っている。ここで下手な行動をすれば今後の学校生活に支障が出てしまう。
ガコンッと車輪のブレーキが外れ大きな揺れと共にゆっくりと全身を始める。もう降りれない。安全バーを握りしめる手に力が篭もる。キャストの見送りに手を振り返す余裕などある訳もなく、前方に見える急角度のレールに絶望している人間にアトラクション慣れしているであろう彼はしつこく話しかけてくる。修学旅行できたのか、とか、何処の中学校なのか、とか。正直構ってられるほど心に余裕はないし、彼がたまたま早帰りの日で部活も休みだったから友達と遊園地に遊びに来たなんて経緯知ったところで「へーそうなんだ」の感想以外思い浮かばない。社交的と呼ぶには些か鬱陶しくおしゃべりで、それでいて乙女チック。きっと言葉や態度で傷ついたことがないんだろう。変な人。だからつい先程ローファーの踵を思いっきり踏んできた第一印象最悪な人が、期待した顔で私に問いかけるのだ。

「あのさ、俺の顔を見て何か思うことあったりしないか!?懐かしいとか、見覚えがあるとか」

イタい人だなぁと内心見下していた。うちのクラスのカーストトップ層のお調子者も意中の女子に『どこかで会ったことある気がする』『俺たち運命じゃね?』と鼻で笑いたくなる電波発言でよく気を引こうと足掻いていた。もしかすると男子中学生あるあるの、そういうお年頃なのか。勿論、私が片思いしている佐藤くんは容姿抜きにしても魅力溢れる人なので周囲から一目置かれており、こんな小細工は不要である。とはいえ、この他校の人。顔に見に覚えがあるかと問われると、そういえば何処と無く佐藤くんに似ている気がする。顔のパーツは佐藤くんと正反対だ。彼の前髪は魚の尾びれみたいな形はしてないし不自然に跳ねてもない。でも何処と無くこの『深く考えずに話しかけても全方向から包み込んで全肯定してくれそうな人の良さそうな雰囲気』が似ているような気もする。

「シーといえば」
「いえば!?」
「…片思いしてる同級生の子と少し、雰囲気が似てる、とか?」
「お、おほ〜…そ、そっか」

ガコンッとまた大きくコースターが揺れた。その途端不安になるような金属の荷重音が鳴り始めると共に傾斜がとたんにきつくなる。徐々に近づいてくる頂点の明るさにゴクリと息を呑み安全バーを握り直していると「あの、さ!」とまた隣から話しかけられビクッと肩が跳ねた。

「あ、ごめん。急に話しかけて」
「いや、私こそ。あの、なに?」

迫る急降下と隣の席の子の顔に忙しなく視線を振る。ほぼ頂点までコースターが上り詰めても落下する覚悟がまだ決まっていなかった。せめて落下直後に悲鳴を出して恐怖をやり過ごしてしまおうと、そのタイミングを図っていたのだが

「その…」

モジモジと言葉も時間も勿体ぶって本題を切り出さない態度に少しイラッとして、『落下した後でもいいかな?』と会話を強制終了させようと口を開く寸前、

「君が他に好きな奴ができても構わないから、せめて俺が君のことずっと、ずーっと想っている事だけは覚えておいて」

「…は?」

生まれたばかりの赤子を抱く母のような、小指に結ばれた赤い糸の先を見つけたような、トロンっとチーズみたいに溶けそうな目尻の上には男前な眉がふやけていて、慈愛に満ちた表情とはまさに今の彼を言うのだろう。
甘酸っぱいと呼ぶには些か甘すぎるような、今まで読んだ事がある少女漫画のクライマックスを初手にぶつけられ困惑のあまりちゃんとした言葉が出なかった。
『どうして?』『何故私?』『人違い?』起承転結の起伏が欲しい作家が急にぶち込んだような展開に放心している間に安全バーに固定された体はほぼ垂直に落下して、それから数分間の記憶が空白で何も思い出せないが、ハッと我に返った頃には安全バーが元の位置へ戻り髪がぐしゃぐしゃに乱れていた。

「楽しかったな」

そう言ってコースターから先に降りた彼が私の手を取りコースターと乗り場の大きな段差を片手1つで引っ張りあげてくれる。制服のスカートを踏んづけてコケないように気を遣ってくれたのだろう。制服を着た男の子にこんなに大切にされたのは生まれて初めてでさっきの告白まがいな言葉を抜きにしてもコロッと恋に落ちてしまいそうだった。だってこの人、雰囲気は佐藤くんに似ているし、佐藤くん程ではないけれど自然と視線を惹き付ける不思議な魅力を放つ男前な顔立ちは大好きよりの好きである。
目が眩むような笑顔に充てられて手を繋いでる違和感に気づかず、もし彼が手を引いたなら疑うことなく何処までも着いていくほどには冷静さを失っていた。そんな時「置いてくよ〜!!」と熱に浮かされた頭へ水をかける班員の子の声に私は反射的に繋がった手を振り払い視線を逸らした。こんな所を彼女達に見られたらあらぬ噂を立てられて班員どころかクラスの爪弾きにされてしまうかもしれない。

「あの、私はこれで。さよなら!」
「あ、ちょっと待っ!!」

引き止める声に振り向くことなく私は出口で待つ見慣れた顔に向かって走った。足を止めて振り向いたところで私の長い人生で彼が登場するシーンは今日を除いて他にないことは誰が見ても明らかで、例え奇跡が起こって何度も私の人生に現れてもきっとすれ違うだけで終わるだろう。せめて同じ制服だったら、それかもっと違う出会いをしていたら、彼の名前を聞きそびれたことを悔やんでいたのかもしれない。

「俺の名前!!!…え、たけ…は、ざえ…!!!」

非日常的な時間だった。遊園地マジックというやつだろうか。生まれてはじめて男の子に告白をされて、少し汗ばんだ手を握った。走り去る私に男の子が何か大声で叫んでいたけれど周囲の音にかき消されて上手く聞き取れなかった。寝息が聞こえる帰りのバスの中で私はあのジェットコースターでの一幕を思い出していた。あの時、あの告白まがいな言葉や手を差し出された一連のやり取りはもしかすると『罰ゲーム』の一環だったのではないか、いやそれにしても一切笑いのない真剣度合いの説明がつかない。でももしイヤイヤ私にアプローチしてきたとしたら彼はきっと将来有名な俳優になるだろう、とかそんなことを考えては、彼の真意を邪推して、考察して、今となっては確認しようのない真実に翻弄されていた。
修学旅行から帰ってきて2週間後、佐藤君が芽依ちゃんと付き合ってる事実を友人経由で知った。私同様に佐藤くんを狙っていた友人達はそれはもう目を怒らせてバリエーション豊かな陰口で彼女を謗っていた。以前の私ならば『泥棒猫〜!!』と友人達に同調していただろうけど、不思議とすんなり事実を受け止め静かになれる場所を探して席を立った。
容易に想像がつく展開に感情が動かなかったのかもしれない。もしくはあのジェットコースターの頂点に心を置き忘れてしまったのかも。構内に張り出された修学旅行の写真を眺めてあの子の影を探して、どこにも映り込んでないことに落胆して握りしめたお小遣いをポケットに突っ込んだ。それから少しずつ修学旅行の思い出と共に日々の生活の記憶に埋もれ『他校の子にナンパされた』のみが私の記憶の奥底に取り残されていった。



Mean…を意味する。
Develop…を発達させる。
Lead…をみちび

ぐ〜ぅ

「…ぁ」

3年間の青春半分を投げ打って注いできた学びをたった1日で査定される。辺りには制服と私服の受験生が壁や床を椅子がわりに、たった40分の休憩時間を次の戦いに向けて調整している。中間試験や期末テストなんか比べ物にならない命を狙われるような緊張感の中、私も参考書やノートに齧り付き記憶からこぼれ落ちた公式や語句を拾い上げているのだが

ぐぅ

緊張にかける雑音が腹部から時より音を立てては周囲からの視線を集めてしまうため、変な注目を集めている恥ずかしさに気が逸れて視覚からの情報が全く頭に残らない。
朝ごはんはしっかり食べてきた。けれど今日はどうもお腹がすく。1つ前の試験中盤から腹の虫が癇癪を起こし出し、その時は素知らぬフリして試験を終えたけれど、試験管が解答用紙と問題用紙の枚数を数えている間に特大の音を立ててしまい、その上条件反射でお腹を抑えてしまった事で周囲から何処と無く視線を感じて集中力が掻き乱されてしまっている。
『糖分大事!』とせっかく母が持たせてくれた小腹飯は学校が手配した移動バスに置いてきてしまったし、お茶を飲んで誤魔化そうとも考えたがトイレの回数が増えるとそれはそれで試験に支障が出る。
運が悪い事に試験会場先に割り当てられた部屋に知り合いの顔はない。誰にも頼れず、かといって貴重な40分を食品系の自動販売機を探す時間に割り当てる勇気はない。もし見つからなかったら次の試験は目も当てられない結果になる。
どうせこの人達とは今後会うことはない。腹の音なんて知るか、どうにでもなれと空腹から目を背け単語帳に目を通すも

ぐぅ

人間そう簡単に意識を変えられる訳もなく、恥ずかしくてお腹を抑えようとした際にうっかり単語帳を落とし、その落下音も合わせて再び周囲の視線を集めた。

『あの子でしょ、たぶん』
『まじウケる』
『アンタそれあげてきなよ』
『え〜、なんでよ。アンタ行ってきなよ。徳積むチャンス!』

今日の天気は一日中雨の予報で外に出るにも傘をささなければ濡れてしまう。室内はどこもかしこも受験生で溢れかえり場所を移動しようにもこの腹の音の大きさじゃ何処に異動しても状況は変わらないだろう。
床に落とした単語帳を拾って、その1歩先へ滑り落ちてしまった赤シートへ手を伸ばそうすると先に別の手が赤シートを拾い上げてしまった。

「はい」

ベッコベコに凹んで傷ついてところどころ折り目部分が白く濁ったそれを私はありがとうございますの言葉を添えて受け取る。会話はこれで終しまいかと思ったが、「あのさ」の言葉で引き留めた彼は左手に握りしめていた黄色いパッケージのお菓子を先程の赤シート同様私に差し出す。

「これ、箱は空いちゃってるけど中身はまだ手つけてなかったから。良ければ」

指で頬をかき分かりやすく照れている親切な人とは対照的に私の感情は荒れていた。他所の女子高生達の影口に気分が悪かったからだろう。『可哀想な人』と同情され、彼の善意の足しにされたことが感謝以前に気に入らない。下唇に上歯が食い込む。見下されていると感じて善意を正しく善意と受け取れなかった。

「…気持ちだけうけ「いいから。ほら」」

形を帯びた善意を手で押し返す。貴方の行動は迷惑だと、こんな時に他所に構うな同情するなの意味を込めて『要らない』と態度も含めて伝えたつもりだった。けれど彼は強引に私の手にお菓子を押し付けたのだ。

「意地張ってる場合か!?空腹で試験に集中できなかったら受かるもんも受からないだろ!腹の音なんかにこれまでの努力を全て無駄にするなんて勿体ない。いいから貰ってくれ」

3年間の努力を意地で台無しにするのか?と痛いところをつかれぐうの音も出ないまま、最終的に私は彼から押し付けられたお菓子を握ってしまった。彼の言うように箱は空いていたが中身は未開封だ。

「…ありがとう」
「どういたしまして。あのさ、試験が終わった後に「八左ヱ門はやく戻っこーい。お前喋ってる余裕あるほど頭良くないだろ〜」三郎、お前!!」

試験が終わったら、何だろう。
何か言いたそうな顔をして、けれど少し遠くから彼の友人らしき集団に話を遮られて続きを聞けないまま会話が切れた。

「やっぱりなんでもない。じゃ、お互い頑張ろうな!」

去っていく彼の背中を見送っていた時に、1つ先の教室へ入っていく姿を目撃しお菓子片手にわざわざ遠くから話しかけに来た事を知り驚いた。てっきり同じ教室で受験している人だとばかり。それにしても…お腹の音で隣の教室まで陰口叩かれていたのかと思うと気分が重い。受験前から図らずも有名人になった気分で穴があったら入りたい。最悪すぎる。
あの人。カッコよかったなぁ、顔もそうだけど人柄というか、勉強だけじゃ養えない人間力の高さは感服ものである。同じ立場に置かれても私は多分声をかける選択肢すら浮かばない。
貰ったお菓子を食べながら、パッケージの裏に『はちざえもん』と書き記す。もし何処かでまた会えたら同じお菓子を買って返すための手がかりを残さないと多分この温かい気持ち以外の出来事以外を私は忘れてしまうだろうから。
彼のお菓子のおかげなのか、その後の試験は焦ることも頭を抱えることももなく順調に試験を片付け全日程を終了した。
教室を退室した後にお菓子のお礼をもう一度言いたくて彼の姿を探したが受験生でごった返した空間の中からたった1人を探しだすことはできなかった。その後もバスまでの帰り道の間も彼の姿を探したが何処にも見当たらず、私は望みをかけて彼から受け取ったお菓子のパッケージの写真を撮り『はちざえもん』をデータに保存して次に思いをかけた。

大学1年生。春。入学式翌日の初登校日。
まずは自分が所属する学部を、その後は1年生と思われる団体集団の顔を、最後は1年生で構成されたグループチャットの名前を確認してはあの特徴的な前髪の影を追いかけた。しらみ潰しに講座を受講しては参加者の顔や名前を探ったが見つからず、少し大きめのサークルに体験入学して同期や先輩の人脈にも頼ってみたが『はちざえもん』に迫る情報は何一つ手に入らなかった。多分ウチの大学を蹴って他の大学へ進学してしまったのだろう。いつか返そうと思って鞄に常備していたお菓子の味に飽きてしまった頃、全く結果を得られない奮闘にとうとう魔が差してしまったのだろう。馬鹿みたいに詰め込んだ講座を断捨離し、無理して作った人間関係を必要な繋がり以外は疎遠にした。それから流行りのお菓子を鞄に忍ばせて、すれ違う人の顔を一人一人確認することをやめた。

優先事項の頂点を陣取っていたタスクが消えてしまってからは同じ日々が淡々と流れるような感覚で、気づけば冬が終わって私は2年生になっていた。学年問わず所属人数が多く傍からは飲みサーの呼ばれるサークルとは早々に縁を切り空いた時間全てをアルバイトに注ぐ日々を過ごす。4月の初旬だった。数少ない友人に頼まれて新入生と思われるポヤポヤした顔の生徒を見極めてはサークル入部と書かれたチラシを配る、もとい押し付けていた時だった。

「競技かるた部です。入部よろしくお願いします。競技かるた部です。入部よろし…あ、」

ちょうどチラシを受け取った新入生の真後ろを通り過ぎるポヤポヤした新入生。集団から頭1つ抜き出た背丈の彼の前髪が魚の尾鰭みたいな形をしてピョンっと後ろへ反り返ってる事に気づいた途端、私は手に持ったチラシを脇に抱えて人並みを掻き分け彼の姿を追いかけた。
やっと見つけた。まさか浪人していたなんて盲点だった。記憶していた姿よりガタイも背丈もすっかり変わっていたが、人生をかけた大勝負の時間に周りを気にしてお菓子片手に話しかけてくる人の良さそうな雰囲気は間違いなく私が探していた『はちざえもん』だ。

「…見つけた」

話しかけるネタは脇に挟んでいるし、このチラシをきっかけに学部と名前、もう少し踏み込めそうなら受験の時のお礼も言えたら御の字。
私のこと覚えてくれてたらいいな。なんて自分に都合の良い展開ばかり妄想して、あと数歩で彼の肩を叩く距離まで迫った。けれど

「軽音だけはやめとけよ。あそこ飲みサーだから、下戸はすぐ潰されて怖ーいお姉様方にお持ち帰りされるってウワサ。ま、悪いことは言わないからウチにしとけって。今裏方足りてなくて、ちょうど人手が欲しいんだよ」
「言わせておけば、演劇だって軽音とそう変わらないって同じ学部のやつに聞いたぞ」
「2人とも醜い争い早めなって。ちなみに文芸部は飲み会ほとんどない和気藹々とした活動だからバイトと掛け持ちしても続けやすいと思うよ!」
「八左ヱ門。かつて俺たちは委員長代理の仲だったじゃないか。是非俺が立ち上げた同好会に」
「「「豆腐研究会は黙ってろ!!」」」

部外者じゃとても話しかけられない友人達との仲の良さを見せつけられて急にのぼせ上がった頭が冷えて足が止まった。タイミングが悪すぎる。とても脇に挟んだチラシじゃ話しかけられない雰囲気に少しずつ距離が離れていく。
寂しいと思った。けれどそれ以上に喜びが勝っていた。私の記憶に残る人、『はちざえもん』と呼ばれたその人が同じキャンパスにいて、残り3年間彼と接触できる機会が用意されているという事実に胸の高鳴りが収まらない。
それからの私の行動は早かった。同じ学科の後輩に繋がりを作り『はちざえもん』の連絡先を探してもらった。新入生なら殆どが登録するグループで、フルネームが記載されているうちにと慌てて上から下まで確認して貰ったが『はちざえもん』はヒットしなかった。彼は恐らく名前を苗字もしくは渾名で登録しているか、グループの存在を知らないか、もしくは古風な名前通りスマホを持たないのか。何にせよ希望は見えた。それから私はまた単位取得対象とは関係の無い授業をしまくっては学部も学科もフルネームすら知らない彼を探し、時たまに遅刻ギリギリで教室に飛び込んでくる姿を微笑ましく眺めては大学カースト上位層の溜まる席へ腰を下ろす姿に近くて遠い距離がもどかしかった。
たまに姿を見かけては元気そうだなぁ〜と登下校時の小学生を見守る地域の人みたいな立場が板についた頃、友達に頼まれて買った模擬店の食券が私の感情をジェットコースターのように大きく揺さぶった。
自炊以外の焼きそばなんていつ以来だろう。少人数の列に並び、自分の番になったら準備していた食券を受付の人に渡す。胃にガツンと一撃入れそうな関西ソースの濃い匂いにソワソワしながら誘導された受け取り口へ1歩左へ移動したところ、

「あ、君っ!」

熱風漂うテントの奥から不意に飛んできた声に自分の事かと思いビクッと肩が跳ねた。食券を買った友達は私を「梅ちゃん」と呼ぶし、彼女以外にこのサークルに知り合いがいないため私に話しかける人など誰もいない。ましてや男なんて。自分が呼ばれた訳でもないのに反応してしまった恥ずかしさを隠そうと視線を足元へ落とす。けれどもう一度「あの〜」と申し訳なさそうな声が正面から聞こえてきて、ゆっくりと顔をあげた先にはずっと遠目で眺めていた彼がいた。私の頼んだ焼きそば1人前を持って。

「なに、ハチの知り合い?」
「あ、いやそうじゃないけどそうであって…いや、あのさ!ちょーっとそこの掲示板前で待っててくれないか!?君に話したいことあってさ。すぐ行くから!頼む!!」

意識がいつもより遠く感じる。
緊張とはまた違った、例えて言うなら夢と現実を反復横跳びしてるような、寝起きみたいな感覚。『はちざえもん』さんは私と話したいことがあるようで、学部棟前の掲示板前で待っていて欲しいと両手を合わせて頼んだ。彼の言葉に私はなんて答えたんだっけ。焼きそばを受け取った後彼が指定した掲示板前に移動して、まだ作りたての焼きそばの温もりを両手で感じながら右へ左へと流れていく人の動きがまるで水槽の中を泳ぐ金魚みたいだと訳の分からない比喩に例えては時間の経過を待った。

「これ、現実なのかな」

こういう再会の定石って助けられた側が助けた側に接触を図ってあの日の恩を…みたいなものかと思ってた。まさか逆も成立しちゃうなんて、人生って何が起こるか分からない。こんな事になるなんて予想もしてなかったから何時もとは違う鞄で文化祭に来ちゃってるし、彼に返したかったお菓子も今日に限って持ってない。
あーあ、もっと可愛い服を着てくればよかった。皺付きの白Tに無難なジーパン、袖が寄れた緑色のカーディガン姿の芋臭い女。ついこの前一目惚れして買ったクリーム色のバレエシューズもいつの間にか靴先が少し黒く汚れているし、巡り巡って漸くまた彼とお話できるのに、この格好じゃちっとも異性として意識してくれないだろうなぁ。
彼から話しかけてくれた時は私のことを覚えてくれていたんだって左胸が燃えるみたいにすっごく嬉しかったのに、事前準備が整ってない内に再会してしまい溜息をつきたくなるほど気が重い。
焼きそば麺に絡め取られた具を数えながら値段の割にはやけに豚肉とキャベツが多いなとわざと細かい事を気にして自分から意識を逸らしていると「おーい!」とタオルを頭に巻いた職人スタイルの『はちざえもん』さんが大手を振って駆け寄った。

「悪い、待たせた!!」
「いえ、そんなに待ってないですか、ら」

あれ、この人こんなに背高かったっけ。最後に会話した時は少し視線を上にあげただけで視線が合ったのに今は少し首が痛い。それに…ガタイがいい。なんか男の子から男の人に進化したみたいな成長を遂げていて、不覚にもドキッとした。有り体に言うと『かっこいい』それに尽きる。

「何?どうかしたか??あ、ソース臭いの嫌だったか???悪い、朝からずっと焼いてて多分髪とか服にも結構匂い染み付いてるかも」
「いや、そうじゃなくて。ちょっとぼーっとしてしまっただけで。それに私、焼きそばのソースの匂い好きだから」
「…お、おほ〜」

いいよな焼きそばの匂い!
夏って感じがしていいですよね。

中身スッカスカの会話で無音の時間を埋めつつも頭の中では『いやもう焼きそばの話はいいよ!!』と本題に入れないもどかしさにヤキモキしている。2年前の受験の話をしたいのだけど、これ私から話を振ってもいいのだろうか。彼が私に話があると言ったのは多分同じ話題についてだと思うのだけど、さっきから視線は合わないし焼きそばの話続けてるし…ええい、ままよ!

「…あの!「あのさ!!」」

ぎゅっとカバンの紐を握りしめ、勇気をだして話題を変えようと声をあげたが彼の声量に押し負け話の主導権を握り損なった。けれどやっと彼と目が合った。もう焼きそばの話は終わりらしい。

「あ、甘いものとか、好き?」

と思ったら次は甘い物の話らしい。
彼の質問に首を盾に振ると彼はポケットから食券の束を取り出し、そこから『チュロス』と書かれた食券を3枚摘んで差し出した。紙の端に軽音主催の模擬店名が記載されている。彼の友人から貰った(押し付けられた)らしく、独りじゃ消費できないからと私におすそ分けしてくれるらしい。財布を取り出そうとしたが要らないからと手で制され「よければ後で買いに行かないか?…一緒に」と言葉の裏を深読みせずにはいられないお誘いに2年前のお礼がボロっと頭から抜け落ちた。
人の少ない場所を探して構内を歩く。思えばこんな至近距離に彼の姿を捉えながら歩くなんてはじめてだ。


「凄く美味しい。学生クオリティとは思えないくらい」
「だろ?実は俺前に夏祭りのバイトで焼きそば作っててさ、そこで色々会得してきたから焼きそば作りには自信があるんだ」
「へ〜どんなことを会得したの?」
「色々さ。野菜を炒める順番とか、麺ほぐす時の水の量とか、あと麺に具を均等に絡めるコツとか」
「そう言われたら確かに麺と具の比率が丁度いいかも?」
「だろ?他のサークルの焼きそばとは違って作り手の腕が違うからなぁ〜」
「調子に乗ると痛い目にあいますよ?」
「別に構わないさ。だって事実経験が違うんだし?」

「それにしても、本当に美味しい。もう1個買えばよかったかも」
「そんな君に焼きそばの食券を進呈しんぜよう。あれ、何処にしまったっけ。ちょっと待ってくれ、あまりの食券が確かあったはず」
「いいよ、いいよ。後で自分で買いに行くから」
「遠慮するなって。俺が君に渡したいだけなんだし。それにさ、俺が作ったご飯をこんなにも美味しいって言ってくれたら、もっと喜んでもらいたいって思うのは普通の事だろ?」


「あのさ、話変わるんだけど。俺さ、実は2年前に「ハチ〜もうすぐメインストリートの方で女装コンテスト始まるってさ。おら、すね毛ダラけの足見せやがれ!」」


「ちょっ!?今取り込み中だから邪魔しないでくれって。すぐ行くから先に控え室行って待っててくれ!」
「先に行って待ってくれって、それはあたしのセリフよ。アンタみたいな男臭い輩をチャチャッと可愛い女の子に変えるなんて出来るわけないんだから、ほら、さっさとすね毛剃って化粧するわよ」

と大人っぽい女の子とのイチャコラを見せつけられて萎縮。


「ごめん、また後で!絶対にまた後でな!それと時間があったら午後のステージ見にきてくれ!俺出るから!」

「ごめんね〜、急にハチに絡まれて怖かったでしょ?アイツ初対面にも大型犬みたいに人懐っこくて、悪い奴じゃないんだけどだいぶ馴れ馴れしいところがあって引くよね。ハチにはアタシからちゃんと言っておくから、任せて。それと午後のステージに私達出場するから、もし良ければ見に来てね」


彼女らしき人が飛び出して、
なに期待してるんだろと冷める。
いい匂いがした女の子とソース臭い自分の対比に気落ちする。そして学園祭の舞台上でさっきの女の子に告白される竹谷を見て目を逸らし、仲良さそうだったもんねと諦めモード。

「チュロス下さい…はい、以上で…、えっと…じゃあせっかくだし、豆腐一丁。現金で。…あの、たけやさん?のご友人さん、ですよね。御手数ですがこれ、彼に渡してくれませんか?はい、お願いします…あ、いえ、1丁だけで、いや、サービスって…あぁ…じゃ、じゃあ2丁、買います。いや3丁は流石に食べれませんから!?」

おかねわたす。
チュロスを買い、ついでに豆腐を貰う。
あんなに可愛い子の告白を断るわけないよねとチュロス食べて家に帰る。
それから友達の延長線で2人ほど付き合うも友達や家族関係で忙しく恋人との時間は作れず、また体の関係に至るまでの心の準備ができていないため色んな誘いを断ったが故に別れを切り出され別れた。すぐに新しい彼女と手を繋いで歩く姿や、竹谷と付き合ってると噂されてる子が彼氏まだ家にいるみたいな体の匂わせを意図せずくらい、愛ってなに?と勉強とバイトばかりに打ち込むことに。

5度目
大学院に進み病む。助教授に毎日理不尽に叱られ、書いたレポートは全て書き直され、ゼミの読み併せで自分だけねちっこく質問される。その上就活でガクチカの深掘りでメンタルやられ、少しでもいい企業に入るため資格を取りに電車に乗ってる時、限界が来て泣いてしまう。
英語の資格試験の受験会場に足が動かず、気づいたらコーヒーショップで目元抑えてコーヒーを眺めていると窓ガラスコンコンしてる人がおり、見るとスーツの上着脱いだ竹谷いてビクってなる。おほー奇遇だな〜!久しぶり!元気…では無さそうだな。と話しかけられ、泣いてる理由を知られ、お前は真面目でなんでも器用にこなす割に抱え込んで自滅するタイプだもんなぁとまるで自分を知ってるような口ぶりで涙を拭きながら竹谷に「よし、気分転換しよう!」と手を引かれる。何処に行くの?と話しかけるもまぁまぁとはぐらかされ、着いた先はアニマルカフェ。「竹谷先輩お久しぶりです。就活は順調ですか?」「順調すぎて今日内定もらったとこ!孫兵も就活準備は3年のうちからコツコツはじめておけよ〜。4年からはじめたら地獄だぞ。地獄」「へぇ〜。ところで隣の女性はどちら様ですか?竹谷先輩の彼じ「孫兵っ!!!待て!!!」」「え〜小さい子達の方が絶対いいですよ。だって今のうちに慣らさないとまた逃げられますよ」「今逃げられたら元も子もないだろ!!」「ちぇー。分かりましたよ。では連れてくるのでこちらでお寛ぎ下さい」そして大きい犬と戯れ、ハリネズミを抱き、蛇を首にまく。

その後焼肉に連れて行ってもらう。『今日内定貰ってさ。プチ祝いなんだ。俺を祝うと思って遠慮せず食べて祝ってくれ!』と焼けたお肉ひょいひょい皿に盛り付けていく。ずっと白ご飯に焼肉のタレかけて食べていたので久しぶりの脂の乗ったお肉の美味しさに泣く。
煙臭くなった帰り道。コンビニによってお菓子買う。その後竹谷が連絡先教えて欲しいと言い、自分のスマホを取り出しながらおもむろに、私君に言えなかったことがあるの。もう覚えてるか分からないんだけど、君に受験会場でお菓子をもらって、文化祭でお喋りしたの凄く楽しくて、たまにすれ違った時挨拶してくれる度に君のことが気になってたの。今日は息抜きの仕方教えてくれてありがとう。いつも困った時に現れて、なんだかヒーローみたいだね。お菓子渡してへへと下手くそに笑う主の手を竹谷が握って『好きな子が困ってたら助けに行くのが惚れた男の務めってもんだろ?』『俺、竹谷八左ヱ門。500年前からずっとお前の事愛してる』と言い両手握り締める。かっこいい台詞なのにド緊張で顔真っ赤。そんな八左ヱ門に惚れる。

鉢屋と尾浜にかっこいい竹谷の裏の顔(ポンコツぶり)ばらされて欲しい。
主を見かける度に目線釘付けな上に尻尾振ってるし、彼女が鬱状態であることを同じ棟の研究室所属の不破(留年)が知り、彼氏がいるからと見守っていたが、いないと知るや否や竹谷がリモート面接終わった直後に走って駆けつけてたりしてる。
付き合った後は竹谷が主にベッタリ。
実は大学時代に主と同じ授業を取っていたがレベルが高くて落単しそうになり、久々知に泣きついて何とか食らいついてた。


自分の知らない自分にメロついてる竹谷に嫉妬して欲しいし、1粒で2度美味しいと竹谷に開き直って欲しい。多分一生記憶が戻るイベントは来ないが、戻ろうが戻るまいが竹谷の愛は深い
そして火傷しただけで病院連れていこうとするのでやめて!?となる。前世の死因が臓器の火傷。

付き合った後暫くしてから遊園地行って欲しい。そして例のジェットコースターに竹谷に無理やり乗せられて、分かりやすく機嫌が悪い主に竹谷笑いながら、中学校のころここで好きな子に告白したんだよなーなんて火に油を注ぎ出すものだから元カノの話はやめて、とそっぽ向くも、梅との話をしているんだけど、覚えてない?と言われて…え?となり、「落ちるぞ。捕まれ〜!」って手を繋がれ頭パーンっとなったまま落下。思い出したか?と言われて、何処まで計算して動いていたの?と質問を質問で返してはぐらかされる。あの時俺の名前教えたのに聞く耳持たずで逃げられて酷いなぁーと意地悪されて、帰りのバスの中で君のことばっか考えてから許して?と肩を竦めて次のアトラクションへ。

▪️竹谷が家に来たいと駄々を捏ね、主はそういう意味かと捉えて拒否するも、邪な事は考えてない。ただ主の手作り料理を食べたいだけだと主張するも、お弁当作ってきてあげるよ。そうじゃないんだ!と駄々を捏ねられる。
絶対に手は出さない!と宣言する竹谷だが、一応どこまでのラインなら気にならない?と抜け穴探そうとするあたり怪しさ満点。
手は繋いでもいいよと言うも、キスは!?と言われ、それはまだちょっととしり込み。触りっこは?無理だよ!!キスよりハードル高いよ!!そもそも手を出さない約束でしょ!?
手を出すってのは最後まで目合うってことだろ?梅さんちょっとガード硬すぎでは…ごめんごめんごめん!!!今のナシ!!俺が悪かった。すみませんでした。だから嫌いにならないで!!と抱きしめながら謝られ、泣き始める竹谷に、ちょっとずつそういう関係になりたいと思ってるけどまた気持ちの準備できてないのと伝え、竹谷がわかった!待つから!!と言い、抱きしめるまでは許可が出る。が、胸に頭埋めるし、何かと膝の上に座らせたがるし、首元攻めてくる竹谷に主はタジタジで、梅がしたいことを俺にして。何一つ嫌なことないから。ほら、早く。悔しいけど俺は手を出せないからさ。とキスを急かされベロチューまでは済ませる。デロッデロに褒められると嬉しくて心を開く梅の習性を知ってる竹谷。


竹谷サイドも書きたいね。
▪️ジェットコースター後に逃げられる
▪️お菓子渡して満足してウキウキで試験に望むも無慈悲に落ちる
▪️浪人1年
▪️大学に入るも学部も学年も違うので主に会えないし、普通に歩いてる姿も見当たらない。
▪️学園祭で可愛い子に告白されてだいぶ浮かれてしまい、場の空気を壊すことができず一度は付き合うも直ぐに別れる(八左ヱ門が彼女の名前をいい間違えるせい)。その後主に彼氏できたと聞いた途端に、なんで俺じゃないの!?俺じゃなきゃやだー!!となり、おじゃま虫になろうとしたけど主が幸せならばと、諦めてサークルの子と付き合い童貞卒業。しかし自分という男がいながら久々知を狙っていたことが判明し破局。謝られて復縁を求められるものの、俺が浮ついたことしたから好きな子も別の男に取られるし、彼女にも裏切られたんだ。男、竹谷八左ヱ門。一度の過ちを悔いて一生一人で生きる!と宣言し就活地獄へ…
▪️そしてある日雷蔵から連絡を受け(ついでに彼氏はいないことも情報入手済み)颯爽と登場。からのデートへ。フリーなら狙う!嫌がられても諦めて受け入れてもらう。といけいけどんどんで心を攻め落とし、その日は返事を貰えなかったが後日再び再会し私も好きと彼女から告白される。

▪️竹谷が元カノの話をすると主はむくれて私じゃなくてもいいんじゃないの?と拗ねるが、主が昔付き合ってた人の話をすると竹谷の笑顔が消えて『全部わずれでおれだげを見で』とひっつき虫になる。また元カノの件もあり久々知はかなりあとになって紹介した竹谷だが、バイト先で話しかけられたことあるから知ってるよとなり、兵助、お前に限ってそんなことは無いと信じている。が、もし俺の彼女取ったら絶交だからな。と割と本気で釘を刺す。面倒臭い人だなぁ

▪️もし立場が逆でも最後はくっつくだろうなぁ。修学旅行先ではわざと物を落として拾ってもらうだろうし、なんか強引にあなたに一目惚れしたので連絡先教えてと無理やり接点作る。高校はずーっと連絡し続けるし、部活の遠征で近くに来た時は必ず会う。主の大学進学先はは竹谷の進学先へ。竹谷の友人たちは美人局じゃね?って疑われるが、広い心で竹谷を受け止める主にこいつを頼んだと結局頼まれる。竹谷はというと急に可愛い彼女ができて舞い上がってるし、何しても怒らないし馬鹿にしないし夜はエロいしでデロッデロに惚れてる。多分記憶戻っても、「ありがとうございます。大好き。絶対離さん」で激重感情ぶつけるだけ。多分イージーモードで全てがトントン拍子で進む。


何度も何度も運命を手繰り寄せる竹谷。前世ですれ違ってばかりで結ばれず、最後に思いあうもお別れした二人。記憶のある竹谷と記憶のない主(プロ忍で忍び込んだ城の女中。燃え盛る城から逃げ延びるも大火傷で死亡)。

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