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主はインパ不在時のゼルダのお付の子。

ー100年前ー
「…」
『無言で立たれても反応に困るのですが。そうですね…びっくりするほどよくお似合いだと思います。その格好なら街に侵入するのは容易いかと。しかしその無表情では直ぐに男とバレてしまいます。ここには貴方の部下もいないようですし、少し笑ってはどうでしょう?それと退魔の剣は置いていった方が良いかと。(姫様にはウルボザ様も着いていることですし羽目を外すくらいの余裕をもって少し外で待っていればいいものを。それにしてもあの無口無表情で有名な英傑様が女装とは…もしかしてそういう趣…いえ、彼の体裁のためにもここは触れないでおこう)』

ー100年後ー
「ナマエ見て見て!どう、似合う?」
『凄く似合ってるけど…少し恥じらうくらいじゃないとその調子じゃバレちゃうよ?』
「大丈夫だって。見てよこのどこからどう見てもヴァーイな仕上がりを!俺の可愛さに男も手を出さずにはいられないかも?」
『そうかもねー。襲われないよう気をつけてよねー(淑女の服を着た途端いつもの数倍図々しくなったのは気のせい?…というかこの状況楽しんでないあの人?ヴァーイよりもヴァーイ楽しんでない??)』
「ほんっとナマエは心配性なんだから。おっ、ナマエあれ見てひんやりメロン半額で売ってる!俺買ってくるから日陰で待ってて!ねー!お姉さん、それ二つ買いたいんだけど!!」
『リンクったら。逞しすぎ…』

100年前の面影もない箍がはずれた自由すぎる元英傑とプルアの被検体となり100年間成長もせず眠り続けていた生真面目なお付の子。互いに昔の記憶はとんでいるため100年前のような息が詰まる上下関係はなく、お友達のような距離感。
お付の子は右も左も分からないことを馬鹿にされたくないため旅のはじめでは少々小生意気な言動が目立つ。しかし旅が進むにつれ肩の力が抜け好奇心溢れる活発な女の子へと成長していく。
旅の途中リンクは次第に失った記憶を取り戻していくが、お付の子は記憶を思い出す手段がないため永遠に喪失したまま、インパから言い渡された『ゼルダを助ける』の命を果たすべくリンクが遊ばないよう見張り役として旅に同行しているのだが…自由人相手に手を焼き流されることもしばしば。
100年も経てば人は変わる(ゲルドの街)
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