14


眩しすぎる太陽に顔をしかめざるを得なかった。
室内練習だけではダメだったかと苦笑ももれてしまう。
目の前の太陽は忘れてしまいたい。

「きみは試合に出ないの?」
ハーフタイムという決められた休息。
私は試合に出ないので関係ない。
 
暇だからこっちには来ないと言ったのに、
アルファ様とエイナムに半強制的に連れてこられた。
 
マツカゼテンマのインタラプトの修正あたりまではアルファ様と居たが、
飽きたと言えばアルファ様は呆れながら
「試合が終わるときには戻れ」
と言い、
私は近くを散策していた。
 
これが210年前のオキナワか。
なんて思って歩いていたら突然声をかけられた。
 
「…松風天馬。何故ここにいる」
「きみこそ、プロトコルオメガの人たちといなくていいの?」
「試合に出ないからいいんだよ。
それより、どうして私がプロトコルオメガのメンバーだって知ってるの?」
「さっきアルファの後ろにずっといたよね?」
…驚いた。
だいぶ離れたところでユニフォームは纏わずに立っていたのに。
仕方ない。
「私は今はサッカーをしない。」
今は、というところで目の前の松風天馬は不思議そうにした。
「じゃあいつかサッカーできるんだね?」
期待を膨らませてる様だけど、
どうだろうね。
手段でしかないサッカーを私がやる時は、くるのかな?
 
 
いつか夢でみた光景は、
正夢になるのか、
過去の出来事、か。
今の私には何一つ分からなかった。

- 14 -

prev | next


page:
/32


back
top