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「オマエは、プロトコルオメガの!」
「………ミライ。」
誰一人私の名前を記憶している奴はいないのか雷門には……
まぁ、知ってても逆に怖いけれど。
「試合に出ないのに、ザナークドメインにもいるんだな」
「あぁ、」
サカマキさんに頼まれたんだ、
言おうと思ったが誰だという顔をさせて終わりだろう。
「私は強い人のところに行く。」
最もらしいことを口にする。
アルファ様、ベータちゃん、ガンマ様、ザナーク様とくれば納得するだろう。
「…強くなれば、俺たちのところに来てくれるのか?」
「…そうだねー、考えておく。」
雷門に行く、か。
考えたこともなかった。
「キミ、名前は?」
「…霧野蘭丸」
「蘭丸、ね。」
確かDFだったと記憶にある。
ピンク色の二つ結び。
女の子だと思っていたが会って、話して、ようやく違うと知った。
「今度サッカー、しようね。
私はFWかMFだから1対1できるかもね!」
ポジション覚えていたのかという顔で私を見てくる蘭丸。
「今はまだできないけれど。
きっといつか、サッカーしようね」
「あぁ、やろう、サッカー。」
まだ私はサッカーなんてできないけれど
きっといつかやるときがくる。
それはもう、遠くない話。
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