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「何やってるの?」
 
 
なんだか眠れそうもなくて、
建物内をうろうろしていた。
 
そんなとき光が漏れている部屋を見つけた。
確かここはチーム03の練習スペースの筈、と思いドアを開けた。
 
 
暗い空間に慣れた目では
眩しくて仕方ない。
「夜の練習…?」
「ミライ、だったか?
練習に混ざるか?」
「…豪炎寺修也。」
練習熱心だな、と私は呆れそうになったけれど
彼らはそうは感じていない様だ。
 
このチームの筈のレイザとメダムの姿が見当たらないあたり、
今日の練習は終わりだとでも言って断ったのだろう。手に取る様に分かる。
 
「松風天馬に…蘭丸がいるんだ。」
「あの二人がどうかしたか?」
「いえ、別に。」
「ミライは試合に出ないのか?」
「えっ?」
豪炎寺って人は試合を見たことあったっけ?
「チーム分けをするときにサカマキ監督が言ってたんだが…」
あぁ、そういえば3人の監督で決めたとか言ってたっけ。
「私は試合に出たいと思ったら出ますよ。
このチーム相手だったら出てみたいけどね」
面白そうだし、と付け加えれば
ラグナロクが終わったらでもいいだろうと言われた。
まぁ、そうなんですけどね。
 
「あ、ミライ!」
突然名前を呼ばれ、そちらを向けば松風天馬。
練習途中だというのに構わずこちらへ駆けてくる。
「ミライもやっていかない?」
彼が私の前に来るころには他の子たちも走ってきた。
「ごめんね、今は見てるだけにするよ」
「じゃあ今度やろうね!」
「うん、今度。またいつかね」
前にも似たやりとりをした気がする。
「いつか、か…」
「絶対、やろうな」
小さく呟いた筈なのに彼の耳には届いたらしい。
「蘭丸…わかったよ。絶対、ね。」
 
 
何故か近いうちに彼らとサッカーするような気がしてきた。
無事にラグナロクに勝てるってこと、かな?
 
 
はやく平和な日常に戻れますように。

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