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「ミライ、帰っておいで」
ラグナロク1回戦。
私はエルドラドチーム01のベンチに座っている。
「ミライ」
私の頭に誰かが話しかける声が聞こえる。
なんだか懐かしい声。
「試合が終わったらでいい、
外で待ってる。」
誰の声、だろう。
「フェイ!」
ピッチや観客席から聞こえる別の声。
天馬の慌てるような、驚きの声。
「フェイ…」
菜花黄名子の不安そうな、心配するような声。
「フェイ」
どこからか聞こえる私を呼ぶものと同じ声。
このままでは私も試合に出なければいけなくなる。
先程の声の主も気になるから、
私は外へ出た。
そこにはきっと、
私の過去を知る人がいると信じて。
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