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「ねぇガルシャア、ヴァンフェニー、」
私の呼びかけに興味無さそうに二人は顔をあげた。
「私サリューについていくよ。」
昔から私とガルシャア、ヴァンフェニー、サリューはよくつるんでいた。
と言っても、私とガルシャア、ヴァンフェニーは外になどそう出なかったけれど。
私達4人は同じだけど各々少しずつ違っていた。
サリューだけは、普通の。
所謂“超能力”と呼ばれる力を保持していた。
私達3人は、また別の血を持っていた。
私やガルシャア、ヴァンフェニーはサリューが羨ましかったのかもしれない。
サリューと同じ力を持つ者は自分たちと比べて多い。
サリューの“仲間”は私達とは違って本当に身内だけの繋がりではなかった。
ガルシャアとヴァンフェニーも、自分と同じ血が流れる同種を仲間とした。
いつしかツキガミ一族、ヴァンプティム、と各々にチーム名が付いた。
私だけはいつまでも一人だった。
「なんでよりによってサリューと、」
「ハハッ、ごめんねガルシャア。
どうしても放っておけなくてさ。」
「でもなんでまたサリューなんかと」
「なんか、なんて言うもんじゃないよヴァンフェニー。」
二人は同種がいるにも関わらず、
一人の私とずっと居てくれた。
「二人は仲間が居るんだから、
そっちを大事にしなさい。」
でないと二人はずっと私を気にするでしょう?
「サリューの沢山いる仲間に紛れることにするよ。」
私は本当に一人になるかもしれない。
だけど私はそれでいい。
誰かの特別になることも、
誰かを特別とすることも、望んでいないから。
沢山いる仲間の一人で私は十分、なんだ。
だから、
お願いだから私のために仲間から離れないで、ね。
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