6


「ミライは好きな子とかいないの?」
私にこんな話題を振る人なんて一人しかいない。
テーブルに背を預け、私の方に顔を向けている。
「いないよ。」
「折角フェーダには男の子もいっぱいいるのに、勿体なくない?」
「メイアはギリスがいるもんね。」
「私のことはいいの!」
話をできるだけ自然に逸らそうと思ったのだけれど、
そうはさせてもらえないみたい。
「だって私が話すような人いないじゃん。」
「…いるじゃない。例えば」「メイア。」
メイアの話している途中で部屋にもう一人の姿。
「ギリス!」
メイアの恋人。
「ごめんなさいミライ、また後でね」
話が途中でも恋人を優先させるのだから、
二人の愛は私でも凄いと思う。
でも、
メイアは誰を例えに挙げようとしたのかな。
 
後ででも聞ける、よね。

- 6 -

prev | next


page:
/32


back
top