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「ミライがここに来るなんて珍しいね。」
久しぶりに基地内を歩き回れば、
偶然トレーニングルームの前に着いた。
何年もここにいるのに、未だ基地内全てを覚えきれていない。
トレーニングルーム自体は昔何度か来た覚えはある。
たまには動かないとなー、と思い、フラッと入ればフェーダのみんながサッカーをしていた。
「サリューはサボり?」
「休憩だよ。」
冗談で問うたのに、真面目に返され少しテンションが下がる。
「サッカーか…」
「混ざるかい?」
「いいよ、邪魔はしたくない」
みんな楽しそう…。
だけど、
「……フェイ?」
「フェイがどうかしたかい?」
「なんでもないよ。」
サリューは気づいていないの?
サッカーをやっているフェイが辛そうだって。
あんなにもサッカーが大好きだった純粋なフェイが。
「サリュー、今度いつでもいいから相手をして」
「え?またサッカーやる気になってくれた?」
「…えっ、あ、うん。」
サリューと話している間、
フィールド上にいるフェイと何度か目が合った。
フェイはサッカーを嫌いになっちゃうのかな。
フェイには好きなものはいつまでも好きでいてほしい、な。
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