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フェイSide
 
「ミライ!」
SARUたちが破壊活動に行く度、
ぼくはミライの元へ向かう。
「フェイ…?久しぶりだね」
…まただ。
「うん、久しぶり」
つい数日前もこうして話したのに。
「…フェイ?」
「えっ、何?」
突然腕を伸ばし、ぼくの顔に触れてくるミライ。
流石にぼくも驚いて後退する。
「あっ、ごめんね。
……フェイは、寂しいの?」
「えっ…?寂しく、ないよ」
「じゃあなんでそんな消えてしまいそうな笑い方するの?」
あぁ、さっきの彼女の行動はぼくの存在を確かめるものだったのか。
「ぼくは消えたりしないよ」
「本当に?」
「本当に。」
よかった、と心底安心したように背もたれによりかかるミライ。
まるでぼくを………
「絶対にいなくならないで」
ミライは昔なにかあったのだろうか。
「うん。行かないよ」
身近な人が居なくなった、とか。
…ぼくと同じだ。
「約束、して」
「うん、約束。」
そう言って小指同士を絡め合う。
 
指切りげんまん、嘘吐いたら針千本のーます。指切った。

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