噂2


「結城。」
「んー?ほっけ〜から声をかけてくるなんて珍しいね。」
「そうか?いや、今はそれはどうでもいいんだ。おまえ、瀬名先輩とモデルの仕事したらしいな。」
「え?」
「これだ。今ネットとかで話題になっているぞ、結城凛華じゃないかって。」
「あー、うん、普通に結城凛華名義で事務所に許可得て仕事したけど。」
「そうか。本物ならいいんだが。」
「……が?」
「いや、なんでもない。」
「……?」


*


「瀬名泉くんと結城凛華が付き合ってるってネットで話題になってるけど、いいの?」
「……は?」
「てか学院内でもその話題で持ちきりだよ。」
「なんでそこまで跳躍するかな……。」
「そもそもなんで仕事受けたのさ。芸能活動しないって言ってたでしょ?」
「あ〜、それはね、瀬名先輩がめっちゃ困ってたから仕方なくなんだけど、一応卒業条件的に一度は何か出なきゃいけないみたいだったし。」
「ふ〜ん?凛華は俺が瀬名くんみたいに困ってたら助けてくれるかい?」
「それは分からないなぁ。私は気分屋だからその時にならないと分からない。でも、初めから私を宛にされるのは困るっていうか、その時は絶対に断るよ。」
「……やっぱり凛華は変わらないね。」
「そうだね。でも、英智と敬人が変わりすぎっていうのもあるかもしれない。」
「変化を良しとするか悪しとするかは人それぞれだからね、俺は凛華が変わらないことが嬉しいよ。」


*


「……真緒?」
「え?あぁ、なんだ?」
「気分悪い?珍しく手が止まってるようだけど。」
「あ〜……、ちょっと疲れてんのかもな〜。」
「じゃあちょっと休憩しようか。お茶淹れるよ?」
「ありがとな〜。」

「……ホントに大丈夫?保健室行く?佐賀美ちゃんどうせいないけど。」
「いや、ホント大丈夫だから。」
「そう?(どう見ても顔色良くないんだけどな……。いつかの敬人みたいだ。)」


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