side:とある研究者


「なんとしてでもアマミヤの信頼を取り戻せ!血液が採取できなくなったらどうする!」

怒りのままに殴りつけた。
一週間も血の採取をせず、リセット後だというのに様子のおかしいウィンターソルジャーを捕まえて問いただせば、門兵がアマミヤに血のをことをもらしかけたのだという。
どいつもこいつも。
アマミヤはウィンターソルジャーを避けている様子だし、奴は奴で様子がおかしいのでもう一度リセット送りにした。
無能どもに深くため息をつく。
アマミヤは気分屋なのでそこまで心配はしていない。
ウィンターソルジャーの記憶を消して、最初のようにとにかくあの女に尽くすようにさせればすぐに機嫌は直るはずだ。
感情によって作用消失の度合いが変わるため、ご嫌取りは急務だ。
もう一度ため息をついてデスクについた。
アマミヤとの性交がなくなって既に一週間だ。
血液から僅かながら作用の消失が確認されているというのに採取が滞っており、研究が進められていない。
くそっ。

「愛と平和のために」

聞きなれない言葉に振り向いた瞬間、激しい電撃に膝から崩れ落ちた。
襲撃?
それとも裏切り?
思考ははっきりとしているのに動かない体に絶望する。
何者かがカプセルを取り出し、私に飲ませた。
なんだ。
いったい、なにを。
鋼の腕を持つ男は立ち去った。
しばらく床に倒れ、ようやく体に力が入るようになって気づく。
そうか、愛だ。
平和のために、愛を広げなければ。
自分のすべきことを思い出した。
ナノマシンの量産と、もっと効率的に広めるための性能向上だ。

「愛と平和のために」