▽ 8話
行為の途中で山姥切が来たが、山姥切は山鳥毛の傷が薄くなっていることを確認して、風呂を沸かしたとだけ伝えて邪魔をせず去っていった。
行為が終わり、壁に背を預ける山鳥毛の腕の中で微睡んでいれば、程なくして秋田が手入れ部屋から出てきた。
「湯殿の用意をしてきますね、主君」
「山姥切がしてくれたって」
「そうですか、何か欲しいものはありますか?」
「んーん」
「秋田、病み上がりですまないが山姥切を呼んできてくれるか」
「はい!」
行為中の荒々しさがすっかり形を潜めた山鳥毛は傷のない左手で私の頭を撫でる。
傷はもうどこにもないらしい。
久しぶりに激しく求められて気持ちよかった。
今日はよく眠れそうだ。
「ありがとう小鳥。ここまで綺麗に直るとはな」
「ん。いつでも誘ってよ」
山鳥毛は秋田が呼んできた山姥切に私を預けて、身なりを整えてくると手入れ部屋に入った。
山姥切は裸の私をタオルで包み抱き上げると、部屋の風呂ではなく大浴場の方へと足を向ける。
そっちにお湯をためたのか。
「山鳥毛の神気が強いな」
「分かるんだ」
「ああ」
私の着替えを持って同行してくれた秋田に、秋田も分かる?と聞いてみる。
秋田は苦笑して頷く。
「ちょっと酔いそうなくらい強い香りですから」
「ふーん」
大浴場につくと、秋田が引き戸を開けて棚に着替えと備え付けのタオルを置いた。
見覚えのないシンプルな衣類は支給の物だろう。
「秋田も入ろ」
「僕もですか?分かりました、お供します!」
秋田が服を脱ぎだした横で、山姥切はタオルを敷いて腰ほどの棚の上に私を置いた。
甲斐性のある男。
はあ、とため息をついて横になろうとした私を手早く衣類を脱いだ山姥切が止めた。
「タバコ吸いたい」
「風呂だ」
もう慣れた様子で私を抱き上げ、浴場に入っていく。
体を山姥切に、髪を秋田に洗われながら、天井を見つめる。
この香り、どちらも私が使っていた物と同じだ。
自室で使ったときは違和感がなさ過ぎて気づかなかった。
はあ、きも。
湯気を目で追いながら、体に触れられる感触より髪を解かされる快感に目を閉じる。
「秋田じょーず」
「本当ですか?嬉しいです」
「首のほうもやって」
「はい、ここですか?」
「ん」
美容師のセフレ以来だ。
マッサージ師も頭のマッサージは得意だったが、髪を洗うことに関して美容師の右に出る者はいなかった。
秋田の柔らかく小さな手は、子供とはかけ離れた大人の男と同じようないい力加減で私の首をなぞる。
リンパだか血流だか知らないが、気持ちよさが流れていくのは感じる。
また洗ってもらおう。
先に体が終わったのか、山姥切の持つタオルが私の体から離れてお湯の流れる音がした。
「流して。お風呂入りたい」
「はい」
今はそこまで長くないので、シャワーはさっと流して終わった。
髪から雑に水を絞って手首につけていたヘアゴムで髪を結んだ。
「中は、どうする」
「ああ、掻きだすかぁ……」
指を中に入れて、ゆっくりかき混ぜ精液を膣から掻き出す。
垂れてくるのが嫌なだけだから適当でいいや。
指を抜けば、山姥切がシャワーで私の手と太もも周りを流した。
私は山姥切がまた抱き上げようとするのを断ってお湯の縁に腰かける。
熱いお湯に足先から浸りながら体を慣らしつつ二人を見れば、先に肩まで浸かり、気持ちよさそうに息を吐いた。
「明日も出陣するの?」
「ああ、日課だからな。感覚は分かったから、今日ほど傷は受けないだろう」
「僕も明日は無傷で帰ってきます!」
「あっそ」
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