▽ 11


「レーナ」

ハッと飛び起きた。
辺りを見回して、彼を見つけた。

「ウィンター、ソルジャー……無事だったのですか」

彼は私にミネラルウォーターを渡した。
ありがたく受け取り、痛む頭を動かして記憶を辿る。
そうだ、ソコヴィア基地が襲撃されたんだ。

「基地は、どうなりましたか?」
「壊滅した。ストラッカーはS.H.I.E.L.D.に拘束された」
「そんな……」

私は吐き気を堪えて水を流し込んだ。
何もかもが、悪い方へと転がっていく。
それから私たちは、共に過ごしていた。
記憶のある私と、記憶を拾い上げる彼は、毎日確かめ合うように言葉を重ねた。
その度に私たちは互いを少しずつ知る。
彼は、優しい人。
銃を握らない日々は、私に悪夢を見せた。
全て命令でこなしていたのに、そうじゃない気がしてくる。
耐えられなくなった私は彼の隠れ家を飛び出した。
私はダメだ。
戦場に、暗殺の場に身を置いていないと、おかしくなる。


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