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ウィンターソルジャーに報告させても、ラードゥガに自白剤を飲ませて詰問しても、繋がりらしき情報は出てこない。
ではなぜウィンターソルジャーはあそこまでラードゥガに固執するのだ。
以前の記憶かと思い過去の資料も探ったが、ラードゥガやそれに似た女の影はなく、何度かリセットを試しても奴の魂に刻まれているかのようにあの虹の女のことだけは忘れなかった。
研究員は虹がスーパーソルジャーの因子に何らかの影響を与えているのではないかと言い、他のソルジャーで試してみたいと報告を上げてきたが、ただでさえコントロールできていないコールドスリープ中の兵士たちまでもが異常をきたしては手に負えないと却下した。
そもそも、スーパーソルジャーの因子に影響を与えているかの実証実験すらしていないのだからどちらにせよ時期尚早だ。
数十人の死傷者を出して、ようやく取り押さえたウィンターソルジャーは舌を噛み切らないように猿轡をし、両手両足を拘束した上で大量の麻酔を投与し続けて強制的に意識を飛ばしている。
代謝が高いせいで、常人用の麻酔量では到底足りないのだろう。
いくらスーパーソルジャーといえど、頭蓋骨破損、眼窩壁骨折は流石に安静にせねば治らない重傷だ。
ウィンターソルジャーと入れ替わりで麻酔の抜けたラードゥガは、目の前で自身の頭を潰そうとする狂気じみたシーンを見て、当たり前だがショックを受けた様子だった。
脱がされたまま、毛布を引き寄せ足を抱いて小さくなって震えていた。
まったく、どちらも使い物にならないではないか。


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