▽ 04
利き腕が使えないことで、私は任務からしばらく外されることになった。
また、彼に犯されたことで精神的なショックを受けていると私の担当医は言った。
私の上司にも当たる大佐は、これまでも何度か彼以外に犯されていると言葉を返したが、担当医は私の二の腕を指して出血があり痛みを感じながらでは本能的な恐怖に差があると言った。
実際には、犯されてから撃たれ、私が怯えているのは彼にではなく私の虹がバレることだだったが、大佐はそうかと納得して去っていった。
私に、しばしの安寧が訪れた。
彼はここまで読んで、私を傷つけたのだろうか。
休ませるために私の利き腕を撃ち、頭部の血が不自然にならないよう私の血を塗り、そして虹が知られることに怯える私を誤魔化すために犯した。
事前に説明してくれていたら、と言うのは高望みなのだろうか。
彼と似たような独房で私は膝を抱えた。
心のどこかであった、死ねば終わると言う思いも虹によってかき消された。
私は、このままヒドラとして生きていくしかない。
私を殺した彼が言った『自業自得』はまさにその通りなのだから。
私の傷が治った頃、大佐に連れられてウィンターソルジャーが現れた。
「喜びたまえ、復帰任務だ」
「は、はい」
「任務の詳細は彼に聞け。ウィンターソルジャー、彼女を使ってもいいが、壊すなよ」
大佐はそれだけ言うと立ち去ってしまった。
彼は私の装備を持ってきてくれたようで、それらをベッドの上に置いて足りないものはないか聞いた。
「大丈夫です、ありがとうございます」
椅子という概念のない部屋なので、彼はテーブルに座って私の準備を待つ構えだ。
私は装備を身につけながら、彼に声をかけた。
「あ、あの、すみません、ありがとうございました……色々と」
彼は答えない。
代わりに、視線は私の方を向いた。
鋼の手が私の服の裾を捲り、虹に触れる。
「痛くないか」
「だっ、大丈夫です」
私に触れる手が虹から臍のあたりまで下がり、一体どちらのことを言っているのか分からなかったが必死に頷いた。
彼は手を離し、また暇そうに宙を見つめた。
さっさと装備を整え、ライフルバッグの中の装備も確認する。
スポッター用のスコープも入っていた。
まあ、いなくても問題はないけれど。
バッグを背負い、彼にお待たせしましたと声をかけた。
彼と二人の任務だろうか。
部屋を出て車庫に向かうと、彼はバイクに跨った。
そして後ろを二度叩く。
彼は私を助けてくれた人だからそれほど抵抗はないけど、客観的に見ると地獄だ。
自身を犯した男とバイクに2ケツするなんて。
私は肩をすくめて彼の後ろに乗った。
渡されたフルフェイスを被り、腰に手を回して頷いた。
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