▽ 05


キャプテン・アメリカ。
エレベーターで襲撃すると聞いていたが、あれだけいてまさか全滅するとは。
驚きつつカバーのために私がいるのだろうと彼の額に照準を合わせる。
スポッターがいないので、自分のタイミングで撃ったが、その瞬間エレベーターが落ちて標的を外した。
狙撃はばれていないだろうが、まさかエレベーターを落とすなんて。
次弾を装填し、地面に落ちた彼を狙う。
頭を狙い、勘がいいのか丸い盾で防がれた。
時々いる。
本能的に致命傷を避ける奴が。
足を撃ち抜いて、動きが止まったところでもう一度頭を狙う。
軍人かな、盾を下ろさない。
私は照準をずらし、肩を撃った。

『ラードゥガ、撤収だ』
「すみません、まだ仕留められておらず……」
『構わん。撤収しろ』
「承知しました」

ライフルをバッグにしまい、回収の車に乗り込んだ。
対赤外線スーツを脱いでライフルバッグを椅子下の収納スペースに押し込む。
ふと、ライフルバッグにつけていた弾薬ケースを見て弾を一つ取り出した。

「腕が鈍ったか?」

ゲラゲラと笑う男を睨んで弾を見せた。

「……338ラプアマグナムですよ。盾で受けて平然としているなんておかしいです。腕と肩を貫いて立っていられるわけがない。あの距離なら太腿の半分が吹き飛んでいても不思議じゃないのに……」
「相手はバカスカ結成打った伝説の超人兵士だ。脳天貫かなきゃ動き続けるさ」

なんだそれ。
ゾンビじゃないか。

「お前知らないのか、キャプテン・アメリカ」

資料は読んだが、知っているのかと言われれば首を振る。
私の言えたことではないが、そんな現実離れした力がウィンターソルジャーの他にもいただなんて。
愛用の弾丸を握りしめてため息をつく。
殺さずに済んだなら喜べばいいのに、私は自分の保身ばかり考えている。


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