Walk.14
「さ、3年、つよ……」
インターンに向けて、実際に経験を積んでいる3年の力量を体感する、と言う名目でA組全員腹パンされた。
久しぶりにめちゃくちゃ痛いし手も足も出なかった。
心操くんの気持ちを追体験しながらお腹を抑えて立ち上がる。
心を纏って触れられた瞬間に全力で盗もうとしていたのに、あまりの速度に追い付かなかった。
これが、3年の実力。
きっとまだ本気じゃなかった。
ぞくりと肌が粟立つ。
「俺はインターンで得た経験を力に変えてトップを掴んだ!ので!怖くてもやるべきだと思うよ、1年生!!」
武者震いだ。
全身が、この人に勝ちたいと、小さく震えた。
インターンで、物にしなきゃ。
ぐっとこぶしを握る。
まだ、壁は高い。
けれど、きっと、越えられないほどじゃない。
「ありがとうございました!」
******
と、息巻いたのも束の間。
『悪いなハーティ。受け入れたいのは山々なんだが色々と立て込んでてな』
電話口のギャングオルカはインターンの要請についてやんわりと断った。
そうなんだ。
仮免試験にもいたし色々あるんだろうなぁ。
でも、なんとなくシャチョーのところでサイドキックとして活動したい気持ちもあったから残念だ。
「そうなんですね……残念です」
ぽろりと溢れた本音に「あ」と声を漏らせば、シャチョーは笑った。
仮免試験の時はなんだかいつもと雰囲気が違ったけど、今はいつもの大人の余裕が感じられてすごくかっこいいし、何より電話をしているという事実にときめく。
『ああ、俺もだ。悪いな』
「いえ!大丈夫です!お忙しいところすみませんでした!」
『こちらこそ。ああ、待て、代わりと言っては何だが1人あたってみよう。向こうもお前に聴きたいことがあるそうでな、近いうちに紹介してほしいと頼まれていたんだ』
私に、聞きたいこと?
シャチョーの口ぶりからしてプロヒーローだとは思うけど……。
管理課の関係だったら、嫌だな。
嫌な想像が頭をよぎる。
シャチョーが紹介してくれる人を疑うわけではないが、私から直接縁のない人というのは少し気持ち悪い。
「あの、その人って……」
『ナイトアイだ』
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