Walk.18
「ナイトアイ事務所に、決めたのか」
話がしやすいように消太くんの部屋まできた。
インターン許可証に書かれたナイトアイ事務所の文字に、消太くんは心配そうに眉根を寄せた。
「うん」
「……大丈夫か」
「うん!」
心配しないで、と白い心を渡す。
過去は教えてもらった。
あとはもう、進むだけだ。
消太くんを守るために。
ヒーローになるために。
「そっか、よかった」
消太くんは何も言わず、頷いてくれた。
私もひざしくんも目を腫らして帰ってきたから、大体察してくれているのだろうけど。
「ねえ、消太くん」
「ん?」
ソファに座る消太くんの膝に乗って肩口に顔を埋める。
消太くんの匂いだ。
私がかつて殺した人。
これからは、命をかけて、心をかけて守る人。
「大好き」
「うん」
「うんじゃなくて」
「愛してるよ」
「ひえっ!」
耳元で囁かれた大人の色気に飛び退いた。
刺激が強い!
煽っといてなんだけど刺激が強すぎる!!
「ピュアだな」
「大人だな!!」
「大人だからな。……おいで」
おずおずと消太くんの膝の上に戻る。
何をされるんだろうとドキドキしていると、深いため息と共にのしかかってきた。
抱き締めると言うよりは押しつぶすとかへし折るとかに近い。
「お、おも、お兄ちゃんおも……!」
「行かせたくねぇもんだな」
「んん!?」
「インターン」
「あれ!?消太くんはインターン肯定派でしょ?」
「教師としてはな。100回座学聞くより、現場で1回実体験する方が身になる。……だが、危険なことはしてほしくないもんだよ。男としてはね」
白い光が渦巻く。
大丈夫だよ。
私の心は、もう揺らがない。
抱きしめ返して、左腕を握った。
分かったんだ。
私の、原点。
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