Walk.21
「き!切島!!ニュース載ってる!!」
「お、おー」
ぽやぽやしている切島の眼前に端末を押し付ける。
ネットニュースとはいえ、インターン初日から華々しい活躍をしたようだ。
それに、切島だけじゃない!
「お茶子ちゃん梅雨ちゃん!!」
「あはは、嬉しいけどちょっと恥ずかしいなぁ」
「カッコ良いよ!この写真保存しとこ」
「ちょ!ちょ!それはほんとに恥ずかしいから!!」
端末を没収しようとするお茶子ちゃんからケラケラと笑いながら逃げてしっかり保存しておく。
いいなぁ、皆の活動写真が溜まったらアルバムにしよう。
一面を飾る切島と、あとホークスの後ろにチラリと写っている常闇も保存しておいた。
インターン組はこんな感じかな?
ふと振り返って、お茶子ちゃんが喧騒の中で緑谷を見遣る視線に気づいた。
緑谷の様子がおかしいのはあからさまだけど、お茶子ちゃん、もしかして。
「コトハはー?」
のしかかって来たピンクを背負って苦笑する。
「いやいや、私は必要書類提出したばっかだから!」
「ギャングオルカのとこだっけ?」
「いんや、なんかシャチョー忙しいらしくて。サー・ナイトアイのとこだよ。緑谷と一緒」
「えっ、そうだったん!?」
お茶子ちゃんがパッと振り返った。
お、おう。
あまりの勢いに、いまだ私の背中にいる三奈ちゃんと顔を見合わせた。
「ほほう、これはつまり?」
「うむうむ。任せてお茶子ちゃん、緑谷のかっこいいとこは私がばっちりスクープするから!」
「そ、そそそ!?い、いや、いいから!」
「ネットニュースより早くあげるからね」
「そ、そん、ほんとにそんなんじゃ……」
しゅんとしょげてしまったお茶子ちゃんに突きすぎた!と三奈ちゃんと二人で必死にごめんごめんとフォローをする。
お茶子ちゃん、絶対脈アリなのにな。
よしよしと撫でていると、お茶子ちゃんは顔を赤くしながらも、何か決意した顔でうつむき、そしてまた顔を上げる時には、その瞳に恋ではなく憧れが映っていた。
「、あ……」
咄嗟に、声が漏れた。
お茶子ちゃんは、確かにある憧れの中に、その恋心を押し込めて、沈めて、そっと蓋をした。
触れちゃだめだ。
私なんかが、簡単に触れていい扉じゃない。
あまりにも高潔で、美しく、そして愛他的な心の在り方に涙が出そうだった。
こんな心、見たことない。
ここで泣くのも笑うのもおかしくて、私はお茶子ちゃんを抱きしめた。
「コトハちゃん!?」
「お茶子ちゃん、今度お餅パーティーしようね……」
「えっ!?する!」
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