Step.81



切島は私と爆豪でみっちり仕込んだ。
最初は爆豪が一人で教えていたのだけど、途中から切島がこのままだとダメだと判断し、私にヘルプを出してきた。
もちろん爆豪はいい顔をしなかったけれど、実際切島の伸びしろに難航していたのかうだうだ言いつつも結局二人で教えることになった。
爆豪の感覚的な話はそもそも理解している人間じゃないと分からないのが難点だった。
というか、理解していても擬音ばっかでわけわかんないけど。
まあとにかく、手ごたえ的には案外上手くいったのだ。
だから。

「半分落としてたら殺す」
「同感だねー」

とまあこんな感じで朝からそこそこプレッシャーをかけたので、昨日の筆記試験は死ぬ気で取り組んだはずだ。
終わった後、ビビりながらも自信があると言っていたので大丈夫だろう。
それよりも私は、どちらかというと今日の演習のほうが気を揉んでいる。
コスチュームに着替えた私たちは、実技試験中央広場のバス停前で先生たちを前にしていた。

「それじゃあ、演習試験を始めていく。この試験でも、もちろん赤点はある。林間合宿行きたけりゃみっともねえヘマはするなよ」

消太くんの言葉に、全員がぐっと息をのんだ。
それにしても先生たちの人数が多い。
一年の担任だけではなく、三年の先生までいる。

「諸君なら事前に情報仕入れて何するか薄々分かってるとは思うが……」
「入試みてぇなロボ無双だろ!!」

上鳴の声に、そういえばそんなことを言っていたっけと思い起こす。
でも、消太くんのこの言い方だと……。

「残念!!諸事情あって今回から内容を変更しちゃうのさ!!」
「校長先生!」

しょ、消太くんの捕縛武器の中から校長先生が!?

「ぶっ―――んん……!!」

耐えた!
噴き出しかけたところを何とか耐えた!!
ありがとう爆豪!
今まで君の他の追随を許さぬギャグセンスによって鍛えられた私の腹筋が、反射が、ここに来て能力を発揮した!!
待って、校長死ぬほどかわいい。
消太くんの捕縛武器を伝って降りてきた校長を、13号先生がそっと降ろしてあげているのを見て、胸を抑えた。
実技試験ってこれか!?
呼吸が辛い!!

「二人一組で、ここにいる教師一人と戦闘を行ってもらう!」

根津校長の言葉に、私は笑いと萌えを押し殺して真面目に話を聞く。
二人一組ってことは、誰か余る……やっぱ三人班かな。

「それじゃあ、組み合わせと対戦する教師を一気に発表するよ」

第一戦の組から名前が呼ばれていく。

「第十一戦、久地楽コトハとダメージの少ない者だ。プレゼント・マイクとやる」
「え、マイク先生2戦ですか」
「2戦やるのはお前のパートナーもだ。誰がやるかはダメージの少ないものの中でお前が決めろ」
「は、はい」

消太くんは一通りの説明を終えると各チームにハンドカフスを配った。
作戦会議、私もしたいけど誰が残るかは分からないからそうもいかない。
っていうか、何か私に厳しくない?
そんなことないのか?
うーんと悩みつつ、みんなの後に続いてモニタールームに入る。
第一戦目は切島と砂糖か。
セメントス先生じゃ相性悪いんじゃないかな。
もしかしたらそういう風に、仕組まれているのかもしれない。



- 82 -

*前 | 次#

戻る