Step.82



「おかえり百ちゃん」
「見てらしたんですのね」

すっかり自信を取り戻した様子の百ちゃんを見て、少しほっとした。
消太くん、優しいなぁ。
この試験、確かに合否を決めるテストなのだけれど、消太くんはそれを通して成長させようとしているのだ。
きっと、他の先生たちも。
第五戦は推薦入学者の二人だった。
そういう組み方をしたのかな。

「百ちゃんカッコよかったよ」
「コトハさん……!!」

ぎゅっと抱き合って喜びを分かち合えば、百ちゃんの豊満なおっぱいに包まれた。
お、おう。

「コトハ。俺はほぼ無傷だ。お前が望むならお前のパートナーになれる」
「おー、ありがと!考えとくね!!」

私の相手はひざしくん。
あの爆音に勝つ術を考えなきゃ。
遠距離攻撃か、隠密か。
どちらにせよ多分焦凍くんじゃない気がする。
どっちかって言うと百ちゃんをお借りしたい。
超高品質の耳栓とか。
そうこうするうち、参考になるであろう耳郎・口田チームが始まった。
ひざしくんはゲート前に陣取って響香ちゃんたちに遠距離からヴォイスで攻撃している。
さあ、二人はどうするのか。
口笛交じりに油断したひざしくんは口田による虫の集団の前にあっけなく失神した。

「こ、こわ」
「虫程度で情けないねぇ!」

あれ、ってか、これ……。
私の試験大丈夫か?
ひざしくん、割と打たれ弱いところあるんだけど。
峰田戦を見ていると、消太くんがどこからかふらりと現れて、「久地楽、敵変更だ。俺がやることになった」とスケジュール変更を告げた。
やっぱりね!
あの感じだとダメだろうなって思ったよ!!
しかしそうか、消太くんとか。
個性を消す消太くんに有効なのは、個性を消されても創造したものは消えない百ちゃんの力が有効だけど、せっかく自信を得た百ちゃんのそれを崩したくはない。
それに、少し考えてみたのだけれど、既に合格したと思われる人間から選ぶよりは不合格っぽい人と組んで少しでも二人で合格ラインに達せられればより良いのではないだろうか
だとすると。
今のところ負けたのは、切島、砂糖、上鳴、芦戸の四名だけだ。
あと、付け加えるなら開始早々寝落ちした瀬呂も危ういと思う。
先生たちの誰も、クリアしたら合格とは言っていないから。
この五人の中で選ぶとすれば。



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