Step.91
夏休み、林間合宿当日!!
「B組だぁああ!!一佳ちゃん!久しぶり!」
「おー、体育祭ぶり。元気だった?」
「元気元気!超元気!」
「みたいだね」
取りあえずすぐ近くにいた一佳ちゃんに抱き付く。
うぉおお、お久しぶりです!
まさかB組と合同だと思っていなかったからびっくりしたよ!!
「お変わりないようで安心しました」
「ん」
「茨ちゃん!唯ちゃん!!」
B組女子の登場に打ち震えていると、首根っこを掴まれてバスのほうに連れていかれた。
焦凍くん!?
「そろそろ出発だ」
「うあーみんなまたねー!!!」
大きく手を振れば、B組女子たちも手を振り返してくれた。
くっ、かわいい!!
焦凍くんの手から逃れてA組のバスの前で彼女たちを生んだお母様方に感謝の祈りをした。
お母さんは偉大だ!!
「あっ!バス座席!」
「コトハ、俺の―――」
「相澤先生となり空いてますー?」
「荷物ある」
「じゃあそっちにずらしていい?」
「まあ、いいけど敬語使え」
「はーい」
アンタそういうとこあるよ、と黒に心の中で言われた。
え、ごめん。
消太くんの寝袋やら資料やらを通路挟んであいている向こうの席に移動させていると、焦凍くんがなぜか少し苛立った様子で私の髪の毛をわしゃわしゃとかき乱していった。
な、なんだあの通り魔!
無表情で怖かったぞ!
飯田の点呼によって全員がいると報告された消太くんは、バスの運転手にお願いしますと告げて見送りに来てくれていた校長先生にぺこりと頭を下げた。
校長かわいい。
その隣で騒いでいる金髪グラサンは見えないことにして、校長先生に手を振る。
みんなも見送りに来てくれている先生たちに気づいたのか、窓越しに手を振った。
こ、校長かわいい!!
「一時間後に一回止まる。その後はしばらく……」
消太くんは後ろの喧騒を見て肩をすくめ、前に視線を戻した。
あれ、黙らせないんだ。
少し意外に思いながら、目を閉じて寝る体勢に入った消太くんの袖をちょいと引いた。
「何か嫌な黙り方した。何か企んでるでしょ」
「別に。だがそう思うなら備えとけ」
捕縛武器に顔をうずめてそれ以上話す気はないというように眠ってしまった消太くんに苦笑して、私もヘッドフォンをつけて目を閉じた。
図星だったな。
禅を組むように両手を重ねて、新しく卵を作る。
ここ最近卵を消費してばっかりいたから、生成が全然追い付かない。
でもこのバスの中には、溢れんばかりの白い心が漂っているから、消費を気にせず卵が作れる。
さて、頑張ろうかな。
この林間合宿、一筋縄じゃ行かなそうだ。
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