Step.93



結局、合宿所についたのは5:20を過ぎたくらいだった。
なにが12時だ。
お昼ご飯どころの話じゃなかった。
合宿所に到着するとワイプシの二人からコメントを頂いて、すぐ夕食に。
お昼を抜いて歩き通し走り通し個性使い通しだった私たちは、身綺麗なB組に構う暇もなくご飯にありついた。

「ご飯おいしい……!」
「やっぱりお米が一番やね……!」

こくこくと頷いたお茶子ちゃんに頷き返して肉団子を口の中に放り込む。
最高だ……!
こっち側にあったサラダを取り分けて小皿をお茶子ちゃんと緑谷に配った。

「ありがとー」
「あああありがとう!」
「そっちで滅茶苦茶肉食ってる爆豪にも野菜食えって言って」

名前順なのか仲が悪い癖に隣同士になっている二人に苦笑しつつ、爆豪の分の皿を渡した。
聞こえていたのか爆豪は怒鳴ってきたがしっかり皿は受け取っているのを見て笑いだしそうになるのを堪えた。
これがツンデレって言うやつなんですね分かります。
お茶子ちゃんのコップが空になっているのを見てピッチャーからお茶を足し入れてあげると、お茶子ちゃんがこっちをまじまじと凝視していた。

「ん、あ、ごめん、ジュースが良かった?」

オレンジジュースもあるよ、とピッチャーを見せる。

「あっ、ううん!ありがと!何かね、コトハちゃんお母さんみたいやぁって思って!」
「んー?あー、お兄ちゃん養ってるからかなぁ。ほっとくとまともにご飯食べない人だから」

少し遠いところで切島が咽た。
あれ、聞こえたかな。
消太くんにも切島に話したということは伝えたけれど、そう、という短い返事だけで特に何かくぎを刺されるわけでもなく拍子抜けしたのを何となく思いだした。
お茶子ちゃんの「若いのに大変やねぇ」というおばあちゃんのような感想に苦笑しつつ、緑谷と自分のコップにも注ぎ足して席を立った。
みんなまだ飲むだろうしピッチャーが空になったので貰ってこよう。

「あ、お茶?そこにあるから持ってって!」
「はーい」

マンダレイが各テーブルからどんどん減っていく料理を追加で出しながら声をかけてくれた。
凄い量だ。
予め作っていたにしろ、このほかほか加減は作り足してるな。

「あ、洸汰くん、手伝おうか?」

野菜のつまった重そうな段ボールを運んでいた洸汰くんに声をかけたが、ちらりとこちらを見てフン、と不機嫌そうに拒否の反応を返して調理場のほうへと向かって行った。
出会い頭に緑谷の股間を潰した中々剛毅な少年だが、何か闇が深そうだ。
まあ、ワイプシが面倒を見ているなら私があえて心に触れる必要もないだろうと、お茶の入ったピッチャーを持って戻った。

「爆豪お茶でいい?」
「ん」

オレンジジュース派の透ちゃんの口に消えていく不思議な光景を見ながら、空になっていた爆豪のコップにお茶を注ぎ足して返す。
男の子はよく食べるなぁ。
一気に飲み干した爆豪からもう一度コップを受け取って注ぎ足した。

「ね!コトハも遊びに行こうよ!」
「ん?」
「男子の大部屋!」
「おー、いいね。でも取りあえずお風呂でゆっくりしてからだなぁ。元気あったら遊びに行くよ」

三奈ちゃんに手を振って自分の席に戻る。
お風呂、楽しみだ!
ぽかぽかとした心がわき出てきて、へらりと笑った。
あーもうだらしない顔してるなぁ今。



*18/02/04・訂正

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