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ひょっこりと。
私の悪魔の実の能力は、帽子である。
ハトハトの実。超人系。
大したことはできないけども、帽子から帽子へ移動ができる。帽子に、荷物をしまったりもできる。
つまりは異次元空間かな、なんて私は思ってる。
でもそれは、慣れた帽子じゃなきゃ、うまくいかないことの方が多くて。
「うーん…」
「…お嬢さん?」
「…あっ…すみません…!」
「いやいや、構わないさ」
なう。知らないおじさんの、頭の上。
この船の中だけなら、移動できたりするのかなぁ。そう思って試しに、紙で作った帽子に入ってみた。紙で作っても帽子は帽子なわけだから、一応、能力は使える。やっぱりコントロールはうまくいかないけど…。
エースさんの帽子にいきたかったのに、全然違うところに出てしまった。ちゃんと、船の中ではあるみたいだけど。
ひょこりと、おじさんに抱えられて地に下ろされる。お話したこともないのに、恥ずかしい限りだ…帽子があったら入りたい。
「あの、ごめんなさい…能力のコントロール、練習しようと思って…失敗して…」
「あぁ。帽子から帽子に移動できるんだったか」
「はい…」
「成る程。まぁ、ここで会ったのも何かの縁だろう」
す、と。右手が差し出される。反射的に両手で握り返すと、おじさんが高らかに笑った。
「五番隊隊長のビスタだ。よろしく頼むよ、お嬢さん」
「た、隊長さん…!」
う、うわああ、!
隊長さんに会うの、初めてだ…!
口をぱくぱくさせながらしっかり手を握ると、おじさんはまた愉快そうに笑った。
イゾウさんは綺麗な見た目で豪快に笑うけど、この人は豪快な見た目で品のある笑い方をするなぁ。
どちらにせよ二人とも、よく笑うみたいだけど。
「随分緊張しているようだが、他の隊長はどうやって打ち解けたんだか」
「え?隊長さんに会うのは、ビスタさんが初めてですよ」
「そうか…それもまた愉快な話だ!」
はっはっはと笑うビスタさんに、ついていけない。
首を傾げていれば、ビスタさんはにんまりとして、「うちの馬鹿共がすまないね」と謝ってきた。
「他ならぬ、君を拾ったエースが隊長さ」
「…え!?」
「いやいや、拾ったとは失礼だな。君を請け負った、にしておこう」
「あっ、それは拾ったで大丈夫です!」
「そうか。では次いでに言うと、ハルタやイゾウ、マルコにサッチなんかも隊長だったりするんだがね」
「え!?」
今まで知り合った人たちじゃないか!そんなの一言も聞いてないぞ…!
いや、マルコさんが隊長さんっていうのは、しっくりくる。けど、隊長の説明した時に自分が隊長だなんて、一言も言わなかったじゃないか…!
「もー!なんでだよー!」
「あっはっは!わざわざ言うようなものじゃないから失念したんだろう。勘弁してやってくれないか」
「もーっ!」
拳握って、右腕をぶんぶん振り回す。空中をぽかぽか叩いてるみたいに。
みんなして、最初に言ってくれれば良かったのに。そしたらちょっとだけ、もうちょっとだけ良い態度を心がけたのに。
ビスタさんが私の様子を至極楽しそうに見ていた。エースたちには後で言っておくよ、という言葉がふってきて、そうしてください!と力一杯叫んだ。
「さて…お嬢さん?」
「はい?」
「見たところ君はハトハトの実に対して、現在帽子を持ち合わせていないと見える」
「はい。自分のは全部島に置いてきちゃったので…」
「そこで、だ」
ぴ、とビスタさんが人差し指を立てた。
「お詫びといってはなんだが、君に帽子をプレゼントしよう」
「…えっ。いいんですか!?」
「もちろん。次の島についたら、好きなものを選ぶといい」
「ほんとに!?」
ぼ、帽子…!
自慢ではないが、私は能力っていうのを抜かしても帽子が好きなのです。
つまり、この提案には、首を横に振れないわけで。
「君への、歓迎の意も兼ねてね」
また笑ったビスタさんの前で、
私は跳び跳ねて、騒いだ。
- 9 -
ハトハトの実。超人系。
大したことはできないけども、帽子から帽子へ移動ができる。帽子に、荷物をしまったりもできる。
つまりは異次元空間かな、なんて私は思ってる。
でもそれは、慣れた帽子じゃなきゃ、うまくいかないことの方が多くて。
「うーん…」
「…お嬢さん?」
「…あっ…すみません…!」
「いやいや、構わないさ」
なう。知らないおじさんの、頭の上。
この船の中だけなら、移動できたりするのかなぁ。そう思って試しに、紙で作った帽子に入ってみた。紙で作っても帽子は帽子なわけだから、一応、能力は使える。やっぱりコントロールはうまくいかないけど…。
エースさんの帽子にいきたかったのに、全然違うところに出てしまった。ちゃんと、船の中ではあるみたいだけど。
ひょこりと、おじさんに抱えられて地に下ろされる。お話したこともないのに、恥ずかしい限りだ…帽子があったら入りたい。
「あの、ごめんなさい…能力のコントロール、練習しようと思って…失敗して…」
「あぁ。帽子から帽子に移動できるんだったか」
「はい…」
「成る程。まぁ、ここで会ったのも何かの縁だろう」
す、と。右手が差し出される。反射的に両手で握り返すと、おじさんが高らかに笑った。
「五番隊隊長のビスタだ。よろしく頼むよ、お嬢さん」
「た、隊長さん…!」
う、うわああ、!
隊長さんに会うの、初めてだ…!
口をぱくぱくさせながらしっかり手を握ると、おじさんはまた愉快そうに笑った。
イゾウさんは綺麗な見た目で豪快に笑うけど、この人は豪快な見た目で品のある笑い方をするなぁ。
どちらにせよ二人とも、よく笑うみたいだけど。
「随分緊張しているようだが、他の隊長はどうやって打ち解けたんだか」
「え?隊長さんに会うのは、ビスタさんが初めてですよ」
「そうか…それもまた愉快な話だ!」
はっはっはと笑うビスタさんに、ついていけない。
首を傾げていれば、ビスタさんはにんまりとして、「うちの馬鹿共がすまないね」と謝ってきた。
「他ならぬ、君を拾ったエースが隊長さ」
「…え!?」
「いやいや、拾ったとは失礼だな。君を請け負った、にしておこう」
「あっ、それは拾ったで大丈夫です!」
「そうか。では次いでに言うと、ハルタやイゾウ、マルコにサッチなんかも隊長だったりするんだがね」
「え!?」
今まで知り合った人たちじゃないか!そんなの一言も聞いてないぞ…!
いや、マルコさんが隊長さんっていうのは、しっくりくる。けど、隊長の説明した時に自分が隊長だなんて、一言も言わなかったじゃないか…!
「もー!なんでだよー!」
「あっはっは!わざわざ言うようなものじゃないから失念したんだろう。勘弁してやってくれないか」
「もーっ!」
拳握って、右腕をぶんぶん振り回す。空中をぽかぽか叩いてるみたいに。
みんなして、最初に言ってくれれば良かったのに。そしたらちょっとだけ、もうちょっとだけ良い態度を心がけたのに。
ビスタさんが私の様子を至極楽しそうに見ていた。エースたちには後で言っておくよ、という言葉がふってきて、そうしてください!と力一杯叫んだ。
「さて…お嬢さん?」
「はい?」
「見たところ君はハトハトの実に対して、現在帽子を持ち合わせていないと見える」
「はい。自分のは全部島に置いてきちゃったので…」
「そこで、だ」
ぴ、とビスタさんが人差し指を立てた。
「お詫びといってはなんだが、君に帽子をプレゼントしよう」
「…えっ。いいんですか!?」
「もちろん。次の島についたら、好きなものを選ぶといい」
「ほんとに!?」
ぼ、帽子…!
自慢ではないが、私は能力っていうのを抜かしても帽子が好きなのです。
つまり、この提案には、首を横に振れないわけで。
「君への、歓迎の意も兼ねてね」
また笑ったビスタさんの前で、
私は跳び跳ねて、騒いだ。