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矛盾点を探しましょう
「リリー、ここにいろよ」
「あいあいきゃぷてーん」
「おれのまねした!まね!」
「いいから行くぞ、ベポ」
「アイアイキャプテン!」
島についたらしい。
島についた時すらも私は専ら研究室に引きこもりなのだけど、トラファルガーはいつもここにいるように私に告げる。言われなくともそうする。そんな毎回言われたら、まるでトラファルガーが私をつなぎ止めてるみたいじゃないか。ばっかでー、アイツ。
けれど、今日は私もその言い付けを破る。元から私以外にも見張りはいるのだから、わざわざ中にいてやる必要はない。たまには街に繰り出したっていーデショ?気分転換に散策散策!
「***?」
「は?」
ぽん、と肩に手がおかれる。振り向けばサングラス、ふわふわと飾りがついたピンク、見た目はいかついおっさん。ただしピンクいからファンシーに見える人が私を見てる。つか身長タッケぇー!
「やっぱり、お前***だな?一人か?あいつはどうした?」
「ちょ…ちょっと、」
なんだ。耳がキンとした。
さっきもそうだけど、この人は誰かの名前を呼んでいる。きっと私はその誰かに間違われている。だけど肝心なその誰かの部分が全く聞こえない。くっきり、頭が拒否するように。周りがうるさいわけでもないのに、そこだけが聞こえない。
耳鳴りがする。
頭が痛い。
「おっさん…一体、」
「なにしてるッ!」
ぐい、と。また誰かに逆側の肩を捕まれた。痛い。
手の主とばちりと視線を合わせれば、それはトラファルガーで、しかもかなり怒ってる。怒ってる?こいつが?私に?…いや、待てよ。私は今までトラファルガーに怒られたことなんてあったか?おかしいじゃないか。いつもいつも、私はこいつを殺そうとしているのに。そんな記憶はまるでない。
私はこいつに怒られたことが……ない?
「……船にいろと言ったはずだ」
「……えと、」
「言うことが聞けないのか。お前は自分の立場をわかっていないのか!?」
「………」
ぎゅっと拳を握りしめ、唇をかんだ。頭はまだ痛いし耳鳴りもまだする。でもさっきより楽だ。トラファルガーに怒られることに比べたら、こんなの、全然、これっぽっちも痛くない。なんでだ。なんでこいつに怒られるのがこんなにも…いたい。
「おいロー、そう怒るなよ。怯えてる」
ピンクのおっさんがそう言ってトラファルガーに話しかけた。どうやら知り合いらしい。
「…なんであんたがこんな所にいる」
「おれだって海賊だ。どこにいたっておかしくない」
「……」
「悪かったな、忘れてたんだ」
おっさんが私を見る。その目がなんだか怖くて、思わずトラファルガーの後ろに隠れた。それを見ておっさんは困ったように、しかしどこか楽しそうに笑った。
「お前…あー、今はリリーだったか?お前も悪かったな」
「……イヤ、」
「おれの名前は、ドンキホーテ・ドフラミンゴだ。ローとはそこそこ長い付き合いになる」
「……私には関係ない」
そう言えば、何がおかしかったのかおっさんことドンキホーテは笑いだした。楽しそうに。本当に楽しそうに。
耳鳴りが、また酷くなった気がした。
「…もういいだろう?」
「ん?あぁ…変わらねぇなァ、お前らは」
「おい、」
「わかってる」
「リリーにもう近づくな!」
「そいつァどうかな?じゃあまたな、ロー。…リリー」
ドンキホーテはひらひらと手を振りながら去っていく。あとには私とトラファルガーだけが残された。
「何故船から出た!」
「た、たまには外に出ようとだな…」
「なら何故最初におれに言わなかった!」
「な…なんでお前に言わなきゃナラナイ!私の勝手だろうが!」
「いいか!?あいつにはもう関わるな。船から出る時もおれに一言報告しろ!絶対だ!」
「…っ」
捕まれたままだった肩にどんどん力が入っていく。痛い。何なんだ、何なんだよ。なんでお前はこんなに怒ってるんだ。
「私が何をしようと…私の自由ダっ!」
「! リリーッ」
腕を振り払って走りだす。
頬を伝う水は、決して涙ではないと言い聞かせながら。
矛盾点を探しましょう
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「あいあいきゃぷてーん」
「おれのまねした!まね!」
「いいから行くぞ、ベポ」
「アイアイキャプテン!」
島についたらしい。
島についた時すらも私は専ら研究室に引きこもりなのだけど、トラファルガーはいつもここにいるように私に告げる。言われなくともそうする。そんな毎回言われたら、まるでトラファルガーが私をつなぎ止めてるみたいじゃないか。ばっかでー、アイツ。
けれど、今日は私もその言い付けを破る。元から私以外にも見張りはいるのだから、わざわざ中にいてやる必要はない。たまには街に繰り出したっていーデショ?気分転換に散策散策!
「***?」
「は?」
ぽん、と肩に手がおかれる。振り向けばサングラス、ふわふわと飾りがついたピンク、見た目はいかついおっさん。ただしピンクいからファンシーに見える人が私を見てる。つか身長タッケぇー!
「やっぱり、お前***だな?一人か?あいつはどうした?」
「ちょ…ちょっと、」
なんだ。耳がキンとした。
さっきもそうだけど、この人は誰かの名前を呼んでいる。きっと私はその誰かに間違われている。だけど肝心なその誰かの部分が全く聞こえない。くっきり、頭が拒否するように。周りがうるさいわけでもないのに、そこだけが聞こえない。
耳鳴りがする。
頭が痛い。
「おっさん…一体、」
「なにしてるッ!」
ぐい、と。また誰かに逆側の肩を捕まれた。痛い。
手の主とばちりと視線を合わせれば、それはトラファルガーで、しかもかなり怒ってる。怒ってる?こいつが?私に?…いや、待てよ。私は今までトラファルガーに怒られたことなんてあったか?おかしいじゃないか。いつもいつも、私はこいつを殺そうとしているのに。そんな記憶はまるでない。
私はこいつに怒られたことが……ない?
「……船にいろと言ったはずだ」
「……えと、」
「言うことが聞けないのか。お前は自分の立場をわかっていないのか!?」
「………」
ぎゅっと拳を握りしめ、唇をかんだ。頭はまだ痛いし耳鳴りもまだする。でもさっきより楽だ。トラファルガーに怒られることに比べたら、こんなの、全然、これっぽっちも痛くない。なんでだ。なんでこいつに怒られるのがこんなにも…いたい。
「おいロー、そう怒るなよ。怯えてる」
ピンクのおっさんがそう言ってトラファルガーに話しかけた。どうやら知り合いらしい。
「…なんであんたがこんな所にいる」
「おれだって海賊だ。どこにいたっておかしくない」
「……」
「悪かったな、忘れてたんだ」
おっさんが私を見る。その目がなんだか怖くて、思わずトラファルガーの後ろに隠れた。それを見ておっさんは困ったように、しかしどこか楽しそうに笑った。
「お前…あー、今はリリーだったか?お前も悪かったな」
「……イヤ、」
「おれの名前は、ドンキホーテ・ドフラミンゴだ。ローとはそこそこ長い付き合いになる」
「……私には関係ない」
そう言えば、何がおかしかったのかおっさんことドンキホーテは笑いだした。楽しそうに。本当に楽しそうに。
耳鳴りが、また酷くなった気がした。
「…もういいだろう?」
「ん?あぁ…変わらねぇなァ、お前らは」
「おい、」
「わかってる」
「リリーにもう近づくな!」
「そいつァどうかな?じゃあまたな、ロー。…リリー」
ドンキホーテはひらひらと手を振りながら去っていく。あとには私とトラファルガーだけが残された。
「何故船から出た!」
「た、たまには外に出ようとだな…」
「なら何故最初におれに言わなかった!」
「な…なんでお前に言わなきゃナラナイ!私の勝手だろうが!」
「いいか!?あいつにはもう関わるな。船から出る時もおれに一言報告しろ!絶対だ!」
「…っ」
捕まれたままだった肩にどんどん力が入っていく。痛い。何なんだ、何なんだよ。なんでお前はこんなに怒ってるんだ。
「私が何をしようと…私の自由ダっ!」
「! リリーッ」
腕を振り払って走りだす。
頬を伝う水は、決して涙ではないと言い聞かせながら。
矛盾点を探しましょう